エレコムとIBMの“因縁対決” レベルアップした両者のラン攻撃に注目 【X1 Super第1節の見どころ】
2020年10月21日(水) 12:20エレコム神戸ファイニーズとIBM BigBlueが、開幕週の10月25日(日)にエキスポフラッシュフィールドで対戦する。両者は昨季、3勝4敗で並んだが、直接対決の結果によりエレコムが4位となりJXBセミファイナルに駒を進めた。直接対決で敗れたIBMにとってみれば、プレイオフ進出を阻まれたエレコムは因縁の相手と言っても過言ではない。
エレコムは昨年同様に若い人員構成で挑むが、クオーターバック(QB)コーディ・ソコール、ワイドレシーバー(WR)アルフォンソ・アヌワーら外国人4人をはじめ攻守のキープレイヤーが健在。さらに、米倉輝監督は、「昨年度に比べると攻守ともに上積みが期待できます」と昨季からのチーム力アップに自信を持つ。エレコム攻撃陣のカギを握るのは、新人のタイトエンド(TE)川瀬拓哉。指揮官は新人TEについて「中央大学時代は下級生時からOLとしてスタメン出場を果たしていた。ブロッキング能力はOLと同等以上、レシーブ能力についても、コーチ陣、QBソコールから高い評価を得ている」と話し、首脳陣やエースQBも信頼を寄せる存在だ。エレコムのラン攻撃は昨年のIBM戦でラン119ヤード、2TDを稼ぎ勝利の一因となった。それだけに、ブロッキング能力が高い川瀬が加入したことで、ラン攻撃の上積みが期待できる。
守備では、2年目のディフェンスライン(DL)木保慎太郎に注目する。米倉監督は、木保について「チーム内最強DL 」と評し、「ランストップには欠くことのできない人材。社会人でのプレーにも慣れ、今年はいよいよ本領発揮」と、2年目の爆発に期待している。
対するIBMは、昨季233失点した守備陣の立て直しが昨季からの課題。そのディフェンス再建の注目選手として、ケビン・クラフトヘッドコーチ(HC)が名前を挙げるのは、DLジェームズ・ブルックス。指揮官は、身長195センチ、体重123キロの大型DLに対して、「彼がこのオフシーズンに他のディフェンスの選手たちと共に費やした時間は、今年のシーズンに成果として表れると思います」と、活躍を期待している。
攻撃では、2018年の東西学生リーグでリーディングラッシャーに輝いた実績を持つ元山伊織と佐藤航生のRBコンビが新加入。さらに、けがの影響で昨季の大半を棒に振ったQB政本悠紀が復帰と明るい話題が多い。そんな攻撃陣を、クラフトHCが「OL全体の調子を左右し、私たちの攻撃のポイント」と評するオフェンスライン(OL)伊藤啄丸がリードする。伊藤を中心としたOLがスクリメージの攻防で踏ん張り、元山、佐藤らRB陣のためにラン走路をあけられれば、IBMの勝利が近づくかもしれない。
昨季の対決は45対38と壮絶な打ち合いの末にエレコムが勝利したが、今季は両チームともに戦力アップに成功しているだけに、今年はどんな展開になるのか注目したい。