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富士通がパナソニック下して2年ぶり6度目の日本一 新形式のライスボウルを制覇

2022年01月03日(月) 20:05

パナソニック インパルスと富士通フロンティアーズによるアメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第75回ライスボウルが1月3日、東京ドームで実施。社会人王者をかけた一戦は、富士通が24対18で勝利して2年ぶり6度目のXリーグ王座に就いた。

これまで「学生王者対社会人王者」という対戦形式だったが、今年度から社会人リーグ「Xリーグ」が王座をかけて戦う形式に変更されたライスボウル。序盤はお互いの守備陣が踏ん張り、両軍無得点の静かな展開。均衡が破れたのは第2クオーター。6年ぶり5度目の王者を目指すパナソニックは、オープニングドライブで32ヤードフィールドゴールを外していた佐伯眞太郎が、34ヤードのフィールドゴールを今度はきっちり沈め先制した。

3点ビハインドの富士通は、直後のシリーズでクオーターバック(QB)高木翼が強肩を披露して、左サイドを縦に駆け上がったワイドレシーバー(WR)松井理己へ56ヤードのロングボムをヒット。一気に敵陣19ヤードまで前進すると、最後はゴール前2ヤードからのフォースダウンギャンブルで右にロールアウトした高木が自らエンドゾーン内にボールを運び、富士通は逆転に成功した。

アグレッシブな守備でパナソニックの攻撃をパントに封じた富士通は、高木と松井のホットラインが再び開通。自陣34ヤードから37ヤードのロングパスが通ってパナソニック陣29ヤードまで侵攻。ランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンのランなどでゴール前11ヤードまで進み、ラストはQB高木が中央に切れ込んできたWR松井へドンピシャのタイミングでタッチダウンパスを成功させて、富士通がリードを11点に広げた。

前半のうちにこれ以上離されたくないパナソニックは、QBアンソニー・ロウレンスがWRレオンシャ・フィールズへ46ヤードのロングパスで一気に富士通陣内に侵入。RBミッチェルビクタージャモーへのパスでゴール前7ヤードまで攻め込むと、ラストもロウレンスがプレーアクションから左サイドで待ち構えていたノーマークのフィールズへのパスが決まりタッチダウン。さらに2点コンバージョンも成功させてフィールドゴール1本差に詰め寄り、前半を折り返した。

後半もお互いの意地がぶつかり合う締まったゲーム展開だった。パナソニックは、フリーフリッカーなど多彩な攻撃を展開して、着実にボールを前進。すると、ゴール前6ヤードでQBロウレンスがパンプフェイクを入れてからエンドゾーン内中央でフリーになっていたWR木戸崇斗へ逆転のタッチダウンパスを決めた。

追う立場になった富士通は、エンドが変わった最終クオーターに再び試合をひっくり返した。第3クオーターから続くドライブで、2度のフォースダウンギャンブルを成功させる執念を見せレッドゾーン内へ進入。さらにQB高木がWR小梶恭平へのパスでゴール前3ヤードへ歩を進めると、QB高木が自らエンドゾーンへ突っ込むこの日2つ目のタッチダウンランでフィニッシュした。

負けられないパナソニックもすかさず反撃。QBロウレンスが木戸、ブレナン翼へ好パスを連発してゴール前まで前進する。しかし、RBミッチェルがエンドゾーン手前で痛恨のファンブル。これを富士通のディフェンスバック(DB)藤田篤がエンドゾーン内でリカバーしてターンオーバーとなった。

勢いに乗る富士通は、自陣24ヤードからの攻撃シリーズでRBニクソンがディフェンスをすり抜ける素晴らしい走りを見せ50ヤード獲得。この得点機を29ヤードのフィールドゴールにつなげてリードを広げた。

逆転のラストチャンスにかけるパナソニックは、富士通のフォースダウン1ヤードを止めて攻撃権を奪取。QBロウレンスがパスをつないで敵陣まで侵攻するも、第4ダウン1ヤードの場面で、QBロウレンスがファーストダウン更新を狙ったブレナンへのパスは無情にも失敗。この瞬間に富士通は2020年以来のライスボウル制覇を手中に収めた。

試合のMVPには5回のパスキャッチで124ヤード、1タッチダウンを記録した富士通のWR松井が選ばれた。