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【Dream Bowl】全日本選抜がアイビーリーグ選抜に善戦も歴史的勝利ならず

2023年01月22日(日) 20:30


全日本選抜とアイビーリーグ選抜が戦うJapan U.S. Dream Bowl が1月22日に国立競技場で開催された。全日本選抜は後半に一度は逆転するも、地力の差を見せつけられ20対24で惜敗した。

先制したのは全日本選抜だった。レシーブスタートの全日本選抜は、クオーターバック(QB)高木翼(富士通フロンティアーズ)が正確なパスをサマジー・グラント(富士通)、松井理己(富士通)、小梶恭平(富士通)、近江克仁(IBM BIG BLUE)、桑田理介(パナソニック インパルス)らワイドレシーバー(WR)陣へ次々とヒットして、敵陣まで侵攻。ランニングバック(RB)トラショーン・ニクソン(富士通)の19ヤードランでレッドゾーン内に侵入すると、タッチダウンを奪えないまでも、キッカー(K)佐伯眞太郎(パナソニック)が30ヤードフィールドゴールをきっちりと沈めて幸先良く先取点を奪った。

ファーストドライブをきっちりと止めた全日本選抜だったが、セカンドシリーズでは徐々に体が温まってきたアイビーリーグ選抜の攻撃に手を焼き、RBアレン・スミス(ブラウン大)に1ヤードタッチダウンを許してしまい、楽々と試合をひっくり返されてしまう。

さらに全日本選抜は、自陣からロングパスを狙ったQB高木のパスが、50ヤード付近でディフェンスバック(DB)マイケル・フリューゲル(コロンビア大)にインターセプトされてしまいターンオーバー。それでも、守備陣がボールへの早い集まりでピンチの芽を摘み、事なきを得た。

司令塔が政本悠紀(IBM)に変わった攻撃シリーズでは、政本が自らのランとパスを効果的に絡めた持ち味のテンポ良いオフェンスを指揮。しかしエンドゾーンまでは遠く、スコアボードに得点を刻めない。その後はこう着状態が続いていたが、全日本選抜はアイビーリーグ選抜陣内で、QBベンジャミン・メイズ(コーネル大学)がスクランブルしたところをディフェンスライン(DL)藤谷雄飛(富士通)がタックルしてファンブルを誘発。こぼれたボールをDLバイロン・ビーティJr.がリカバーして敵陣34ヤードで攻撃権を奪取する。絶好のフィールドポジションを得た全日本選抜は、この好機にK佐伯が23ヤードフィールドゴールをきっちりと決めて1点差に詰め寄った。

後半に入ると、お互いの攻撃が機能し始める。アイビーリーグ選抜は、最初のキックオフでリターナーのジョン・ビル(ハーバード大)が快足を飛ばして63ヤードのナイスリターン。絶好のフィールドポジションを得ると、このチャンスをRBアイゼイア・マルコム(ペンシルベニア大)の3ヤードタッチダウンランにつなげて加点した。

8点差に離された全日本選抜もすかさず応戦する。QB高木から富士通でホットラインを組むWR松井へ投じたパスが相手の反則を誘い、全日本選抜は敵陣内へ侵攻。さらにQB高木からRBミッチェルビクタージャモー(パナソニック)へのパスが通ると、捕球したミッチェルが華麗なランアフターキャッチで相手のタックルをするするとかわしてエンドゾーンまで運んだ。しかし、同点を狙った2点コンバージョンは阻止された。

その後フィールドゴールで3点を追加された全日本選抜は、自陣19ヤードからニクソンやビクタージャモーのラン攻撃を軸にじわじわと前進。そして、自陣からQB高木が富士通のチームメートWRグラントへロングパス。グラントは、相手守備にマークされる厳しい体勢ながら好捕して、全日本選抜が一気にレッドゾーン内へ侵入する。さらにRBニクソンの連続ランでゴール前2ヤードまでボールを進めると、とどめもRBニクソンが中央を突いてタッチダウン。富士通勢の活躍で試合をひっくり返した全日本選抜は、続く2点コンバージョンもリバースプレーでボールを持ったWR近江がエンドゾーンに走り込むQB高木にパスを投げるスペシャルプレーを成功させて、フィールドゴール1本差のリードに広げた。

3点を追う立場になったアイビーリーグ選抜は、勝利への執念をむき出しにする。50ヤード地点の第3ダウン1ヤードではハドルを組まずに、QBライアン・グローバー(ペンシルベニア大)がスニークでファーストダウンを更新すると、その後もQBグローバーが自慢の脚で確実にゲイン。ラストもそのグローバーが、タックルにきた全日本選抜の守備選手を引きずるようにしてエンドゾーン内へ飛び込み、アイビーリーグ選抜が逆転に成功した。

残り時間は10分以上。4点ビハインドの日本選抜は、焦らずにボールを進めていく。サードダウンロングの場面では、QB政本が右サイドのRBニクソンへスクリーンパス。キャッチしたニクソンは、フィールドを横断するように進み、43ヤードをゲインしてファーストダウン更新する。そして、ゴール前14ヤードからは、この日効果的だったニクソンとビクタージャモーの地上戦でゴール前7ヤードまで迫る。ここで全日本選抜は、フォースダウンギャンブルを選択。しかし、エンドゾーンを狙ったQB政本のパスは相手守備に阻まれ得点機を逸した。

リードするアイビーリーグ選抜はボールをコントロールして時間を消費。時計が刻一刻と進み、全日本選抜に残された最後の攻撃時間は、わずか5秒。しかし、自陣12ヤードから逆転の望みをかけたドライブはQB高木のパスで9ヤード進んだのみで万事休すとなった。

この試合の最優秀選手には、ラン9回で45ヤード、1タッチダウンに加え、リターンでも活躍したアイビーリーグ選抜のRBマルコムが選ばれた。また、敢闘賞は、ラン20回101ヤード、1タッチダウンを記録した全日本選抜のRBニクソンが受賞した。

【お知らせ】
Japan U.S. Dream Bowlは1月30日午前0時からXリーグTVで無料配信いたします。日テレジータスでの中継を見逃した方、もう一度見たい方はぜひXリーグTVに無料会員登録の上ご視聴ください。