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【ライスボウル見どころ】富士通の4連覇か パナソニックが9年ぶり覇権奪回か

2024年12月30日(月) 16:00

【パワフルなランで距離を稼ぐ富士通フロンティアーズRBトラショーン・ニクソン  ©X LEAGUE】

2024年シーズンの日本アメリカンフットボールの頂点を決める第78回ライスボウルby GA technologiesが、2025年1月3日に東京ドームで開催される。4年連続の対戦となる富士通フロンティアーズとパナソニック インパルスの一戦は、富士通の4連覇達成か、パナソニックの9年ぶりの日本一か、注目が集まる。

富士通は今シーズンも、攻守ともに隙のないチームだ。レギュラーシーズンのパス攻撃ではリーグ2位の1,478ヤードを記録し、得点数は圧巻の282点でリーグトップ。また、失点数わずか44点という鉄壁の守備力を誇る。特にラン守備(365ヤード・リーグ3位)とパス守備(800ヤード・リーグ2位)のバランスが良く、どの局面でも安定感がある。

【富士通のエースQBとしてオフェンスをけん引する高木翼  ©X LEAGUE】

オフェンスでは、クオーターバック(QB)高木翼が攻撃の中心を担い、ランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンとワイドレシーバー(WR)サマジー・グラントというリーグ屈指の武器を有する。さらに、WR木村和喜や神優成、RB三宅昂輝と香川将成も加わり、どこからでも得点を狙える層の厚さが際立つ。特に木村本人も持ち味として挙げているランアフターキャッチは、ロングゲインも見込める大きな武器だ。

勝利へのポイントは、序盤から試合の主導権を握ることだ。早い段階でリードを奪えば、堅実なディフェンスとターンオーバーの少なさ(喪失5回・リーグ4位)で試合をコントロールできる。

対するパナソニックは総合力の高いチームで、ラン攻撃866ヤード(リーグ2位)が大きな武器だ。RB立川玄明を中心とした地上戦で時間を消費し、試合を自分たちのペースに持ち込むことが得意だ。

ディフェンス面では、ラン守備(284ヤード・リーグ2位)が安定しており、富士通の多彩なラン攻撃を抑えられるかが試合のカギとなる。さらに、ターンオーバー獲得数13回(リーグ2位)も強みで、富士通のミスを確実に活かせるかがポイントとなる。

【今季1度も被インターセプトを喫していないパナソニック インパルスQB荒木優也  ©X LEAGUE】

また、主将のラインバッカー(LB)青根奨太が注目選手に指名するQB荒木優也は今シーズン、インターセプトゼロという堅実なプレーを続けている。派手さはないが、ターンオーバーを避けながら試合を進める能力はリーグ屈指で、ロースコアゲームに持ち込む展開が理想だ。

【主将2年目を迎えたパナソニックLB青根奨太  ©X LEAGUE】

この試合の鍵は、富士通の圧倒的な得点力と、パナソニックの時間をかけるランオフェンスのどちらが主導権を握るかだ。富士通が序盤から速いテンポで得点を重ねると、パナソニックは得意の地上戦を十分に活かせなくなる。一方、パナソニックが試合のペースを落とし、ディフェンスでリードを許さない展開に持ち込めば、勝機が見えてくる。また、両チームのヘッドコーチがポイントとして挙げる攻守ラインの攻防も見逃せないだろう。

4年連続の対戦となるこの一戦。富士通の連覇か、パナソニックの悲願の日本一か。両チームの全力がぶつかり合う試合を楽しみにしたい。