【X1Areaファイナル】甦る星の輝き。宿命の兄弟対決はアサヒビールに凱歌
2019年12月04日(水) 08:36X1Superとの入替戦出場をかけたX1Areaファイナルが12月1日、横浜スタジアムで行われた。
ともに日本一になったことのある名門クラブチーム、アサヒ飲料クラブチャレンジャーズとアサヒビールシルバースターのアサヒ対決。アサヒビールがフィールドゴールで先制したが、その後は交互に得点を取り合う接戦となり、アサヒビールが31-24で競り勝った。
アサヒビールはX1Super昇格をかけて22日、富士通スタジアム川崎でX1Super8位のノジマ相模原ライズと対戦する。
レギュラーシーズンを6戦全勝の総合1位で終えたアサヒ飲料に対し、開幕2連敗から巻き返したアサヒビールは、6チームが4勝で並ぶ大混戦をリーグ規定により2位相当となり、X1Areaファイナルに進出してきた。
前半開始のキックオフはアサヒビール。いきなりオンサイドキックを蹴り、果敢にチャレンジした。アサヒ飲料最初の攻撃は自陣40ヤードからと好位置を得たが、ダウン更新できずにパントで終わる。
リーグ第2節(9月15日)の直接対決では、アサヒ飲料が28-6でアサヒビールに快勝していたが、この時点でアサヒビールは新加入のQBケダリアス・ハンフリーズ(#3)を欠いていた。WRリッジ・ジョーンズ(#2)とともに就労ビザの発給が間に合わず、試合に出られなかった。
しかしこの日はそろって先発出場。アサヒビール最初の攻撃は、自陣44ヤードの好ポジションからスタート。QBケダリアスは10ヤード前後のパスを5本成功させ、ランも交えて敵陣18ヤードまで進む。タッチダウンを狙ったパスを2回失敗し、このシリーズはフィールドゴールで得点。K梅垣光理(#47)が35ヤードを成功させて先制した。
その後の攻撃で、アサヒ飲料もK加藤拓海(#9)が46ヤードのフィールドゴールを決め、すぐに追いつく。
両チーム時間を使ってのドライブで、アサヒビールの2シリーズ目は第2クォーターに入り、QBケダリアス、RBジョナ・ホッジス(#29)のランプレーでゲインを重ねる。
アサヒ飲料ディフェンスのパーソナルファウルもありゴール前7ヤードに迫ると、QBケダリアスからWR戸倉和弥(#11)へのタッチダウンパスが決まり、アサヒビールが10-3と勝ち越した。
だがすぐにアサヒ飲料もタッチダウンを返して追いつく。自陣25ヤードからの攻撃を、RB巽豊(#28)とQBギャレット・サフロン(#8)のランプレーを中心に攻め込み、最後はQBギャレットがWR亀山暉(#85)へ7ヤードのタッチダウンパスをヒットさせた。
ビデオ判定となるきわどいタッチダウンプレーで再び同点とし、アサヒ飲料に勢いが傾いたと思われたが、直後にアサヒビールのビッグプレーがとびだした。
アサヒ飲料のキックオフを、渡邊輝(#82)がキャッチ。柳澤拓弥(#10)へトスすると、そのまま87ヤード独走してキックオフリターンタッチダウンを決め、アサヒビールが17-10と勝ち越して前半を終了した。
後半はアサヒビールの攻撃から始まったが、2プレー目にQBケダリアスの投げたボールをアサヒ飲料のLB大江健士郎(#4)がインターセプト。攻守交代となり、そのシリーズをアサヒ飲料がタッチダウンにつなげ、またも17-17と追いついた。
その後も両チーム交互にタッチダウンを決めてスリリングな展開が続く。
第4クォーター6分15秒のアサヒビール。QBケダリアスがWR小峯正人(#12)に11ヤードのタッチダウンパスを決め、31-24とリード。
その直後のアサヒ飲料の攻撃を、LB榎本雄気(#5)がインターセプトで奪うと、アサヒビールは敵陣44ヤードからの攻撃を、K梅垣の44ヤードフィールドゴール成功に結びつけ、34-24と突き放した。
粘るアサヒ飲料は、残り1分からの攻撃を僅か3プレーでタッチダウン。31-34と追いすがるが、最後の望みをかけたオンサイドキックをアサヒビールが確保。勝負がついた。
「オフェンスもディフェンスもキッキングも、みんな三位一体となって準備してきたことをフィールドで出し切ってくれた。リーグ序盤に2連敗して、底辺まで行ったからこそ選手の力を引き出せたかもしれない。KD(QBケダリアス)が入って、がらりとチームを入れ替えたのはチャレンジだった」と、アサヒビールの有馬隼人ヘッドコーチ。この日の試合とともに、苦しかった今季を振り返った。
22日に対戦するノジマ相模原については「まさかライズとやるとは思わなかった。地力、戦力ともにあるチームなのでしっかり準備したい」と話した。
競り負けたアサヒ飲料の久保崇ヘッドコーチは「(アサヒビールの)QBが代わってパスの能力が格段に上がっていた。準備してきたつもりだったが、こちらの弱い部分を突かれた。最後の最後で粘り切れなかったが、今季はX1Superに戻るためにチーム一丸となったのは間違いない」と、健闘した選手達を称えた。
Text 福永美佐子
Photo エムアイプランニング
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