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【X1Super】試合残り7秒に決勝TD! エレコム神戸がIBMに劇的勝利

2020年10月25日(日) 23:53

コロナ禍の影響でおよそ2カ月遅れて24日(土)に開幕したX1Superレギュラーシーズンは、25日(日)に第1節の残り1試合、エレコム神戸ファイニーズとIBM BigBlueの一戦がエキスポフラッシュフィールドで行われた。前半と後半で全く異なる展開となった試合は、エレコム神戸が終了間際で勝ち越しに成功し、35対28で劇的勝利を収めている。

激しい打ち合いの末に45対38でエレコム神戸が勝ち星を手に入れた昨年の対戦から一転、今回の試合の前半はどちらも決め手を欠いていた。両陣営ともリズムをつかみ切れない中で先制を果たしたのはエレコム神戸だ。IBMの攻撃を止めた後のファーストドライブで、敵陣44ヤード地点のフォースダウン1ヤードでギャンブルを敢行したエレコム神戸は、クオーターバック(QB)コーディ・ソコールが中央付近にいたワイドレシーバー(WR)アルフォンソ・オヌワーにパスを通し、ボールを受けたWRオヌワーがIBM守備網をするすると抜けていき、タッチダウンを決めている。

ただ、対するIBMも、すぐさま反撃に打って出る。ランニングバック(RB)山中大輔の小刻みなカットバックを踏んだナイスランで28ヤードをゲインすると、ヘッドコーチを兼任する先発QBケビン・クラフトがWR鈴木隆貴に17ヤードのタッチダウンパスをヒットして同点に追いついた。

その後は、エレコム神戸が2本のフィールドゴールを外したり、お互いにフォースダウンギャンブルを失敗したりするなど追加点を奪えず、7対7の同点で前半が終了する。

しかしながら、ハーフタイムを経て迎えた後半はそれまでの流れがガラリと変わった。

エレコム神戸の最初のドライブでIBMのディフェンスバック(DB)寺中健悟がQBソコールのパスをインターセプトして攻撃権を奪取。この好機に山中のランなど着実に前進し、クラフトからスラント気味に内へ切り込んできた鈴木にパスが通り、まずはIBMが均衡を破る。

これで両チームのオフェンスにエンジンがかかったのか、ここからリードが目まぐるしく変わるスリリングな展開となった。エレコム神戸がQBソコールとWRオヌワーのホットラインを開通させて、25ヤード、75ヤードのタッチダウンパスを通せば、IBMも第3クオーター終了直前に、昨季の故障から復帰したQB政本悠紀からWR鈴木がこの日自身3つ目となるタッチダウンレシーブで応戦。第3クオーターはお互いに2タッチダウンを奪い、得点は21対21の同点に。

勝負の最終クオーターは第3クオーター終了間際から攻撃を続けるエレコム神戸のQBソコールがWR南本剛志に23ヤードパスを通して敵陣27ヤードまで進むと、ソコールがふわりと浮かせたパスを、左サイドを走りこんだWR森悟がダイビングキャッチ。これがタッチダウンとなり、エレコムが7点のリードを得た。

追いすがるIBMが試合残り3分34秒に自陣20ヤードから開始した攻撃は、QB政本がわずか2本のパスで敵陣へと進入した後、敵陣32ヤードからフォースダウンギャンブルを選択する。QB政本が左サイドのWR遠藤健史に投じたパスは当初、不成功と判定されたが、これが覆ってパス成功。九死に一生を得たIBMは、その1プレー後にQB政本がエンドゾーン内のWR白根滉にパスを投じ、相手守備と競り合いながらも、身長186センチの長身を生かした白根が競り勝ってタッチダウン、IBMが土壇場で試合を振り出しに戻した。

しかし、最後に笑ったのはエレコム神戸だ。試合時間残り1分33秒、ソコールが自陣41ヤードから開始したドライブで、パスと自らのランを織り交ぜた見事なタクトを振り、ゴール前14ヤードまで侵攻。そして、残り7秒、右へロールアウトしたソコールがエンドゾーン右奥のWR南本へ決勝のタッチダウンパスを通した。

エレコム神戸のQBソコールはパス40回中23回成功と成功率はまずまずだったが、5タッチダウンパスと勝負強さを見せている。WRオヌワーは12回捕球で251ヤード、3タッチダウンの大活躍だった。

IBMは攻撃総獲得ヤード数でエレコム神戸の497ヤードに対して411ヤードとそん色なかったものの、反則による罰退が90ヤードを記録している。最後のキックオフで犯した無用なファウルも勝敗に響いた。