【X1 Super】オービック、絶対絶命の場面からパナソニックに劇的勝利で4年ぶりJXBへ!
2020年11月22日(日) 02:25X1 Super秋季公式戦第3節のオービックシーガルズ対パナソニックインパルスの一戦が21日(土)、富士通スタジアム川崎で行われた。
JAPAN X BOWL(JXB)出場権をかけた試合は両チームの意地と意地がぶつかり合って最後までもつれる展開となり、試合終了間際に1点をリードするオービックが、自陣1ヤードまで攻め入られた絶体絶命の場面で起死回生のターンオーバーに持ち込み、35対34で劇的勝利を収めて4年ぶりにJXBへのきっぷを手に入れた。
オービックは試合開始直後のドライブでクオーターバック(QB)ジミー・ロックレイのパスやランニングバック(RB)李卓のランでテンポ良く敵陣まで侵攻。最後はロックレイがエンドゾーン中央で待ち構えていたワイドレシーバー(WR)西村有斗に先制のタッチダウンパスを決めた。
いきなり失点を喫したパナソニックだったが、RBミッチェル・ビクター・ジャモーによる93ヤードキックオフリターンタッチダウンのビッグプレーが飛び出して、すかさず試合を振り出しに戻す。
同点に追いつかれたオービックも、西村が77ヤードのキックオフリターンで好位置から攻撃を開始すると、RB李が相手にタックルされながらもダウンせず、中央へ飛び込む勝ち越しのタッチダウンラン。再び試合の主導権を握ったオービックはフィールドゴールブロックで得た好機に、ロックレイがランパスオプションから自らエンドゾーン内へ走り込んでリードを広げている。
2年連続のJXB出場に向けて負けられないパナソニックはジャモーの2ヤードタッチダウンランで応戦して必死に食らいつき、さらに続くオービックのドライブではゴール前7ヤードまで攻め込まれるも、ディフェンスが強烈なタックルで相手QBロックレイにヒットしてファンブルを誘発し、そのボールをリカバーして攻撃権を奪取した。このチャンスは得点に結びつけられなかったものの、守備陣の好パフォーマンスで勝利への闘志を見せる。
その後、オービックが西村の2回目のタッチダウンキャッチで加点すれば、追うパナソニックも前半終了間際にフィールドゴールを成功させるなど激しい展開が繰り広げられ、前半はオービックが11点をリードして折り返した。
RBジャモーへのタッチダウンパスで第3クオーター早々に追加点を得たパナソニックは守備の出足が鋭く、前半に4つのタッチダウンを与えたオービック攻撃陣に得点を許さない。攻撃でもレシーバー陣が随所で球際の強さを見せ、WR木戸崇斗がエンドゾーン内でオービック守備と競り合いながら逆転のタッチダウンレシーブを決めて、ついにパナソニックが試合をひっくり返す。さらにツーポイントコンバージョンも成功させたパナソニックは第4クオーターが始まった直後にもフィールドゴールで追加点を挙げている。
しかしながら、この試合で初めて追いかける立場になったオービックが、敵陣36ヤードからの攻撃でロックレイから前田眞郷へのタッチダウンパスを通して再びリードを手に入れ、逆に1点のビハインドを背負ったパナソニックはラスト4分5秒、自陣25ヤードからスタートさせたドライブで、ローレンスが多彩なパスや自らのランなどを駆使してゴール前1ヤードまで前進する。誰もがパナソニックの逆転を信じていたが、オービック守備陣だけはあきらめていなかった。パナソニックはこのドライブで力強いランを見せていたローレンスに最後を託すも、スニーク気味でエンドゾーン内に飛び込もうとした司令塔がまさかのファンブルを喫し、これをオービックのラインバッカー(LB)成瀬圭汰が値千金のリカバーでチームの大ピンチを救ったのだ。
絶体絶命の場面から九死に一生を得たオービックは、自陣1ヤードからの攻撃ではセーフティの危険もある中、エンドゾーン内で倒されずにしっかりとボールを保持して試合終了の声を聞いた。
オービックはQBロックレイがパス27回中13回と成功率こそ高くなかったが、3タッチダウンパスと勝負強さを発揮している。
対するパナソニックは総獲得ヤードで458対313と上回り、後半には守備もアジャストしていたほか、QBローレンスもパス46回中34回成功、2タッチダウンと安定した活躍を見せていただけに、最後の最後で犯したファンブルが悔やまれる。