完勝の中にもさらなる高みを目指す富士通・山本HC、「もう少しスコアは変わっていた」
2020年11月23日(月) 08:23富士通フロンティアーズは22日(日)、エレコム神戸ファイニーズ戦に34対3で勝利し、12月15日(火)に行われるJAPAN X BOWLへ駒を進めた。点差だけを見れば余裕の勝利だったように思えるが、まだ誰もなし得ていない社会人5連覇を目指す富士通の山本洋ヘッドコーチは結果に100%満足したわけではないという。
これが王者たる所以なのか。
攻撃では4タッチダウン、守ってもノータッチダウンに抑えて、攻守でエレコム神戸を寄せ付けなかった富士通。しかしながら「対応できることはしっかり対応できていましたけど、最終的にフィニッシュするところの精度があと少し上がれば、もう少しスコアが変わったと思います」と明かす山本HCは、先に待ち受ける天王山を見据えてか、完勝にも手放しで喜んでいるわけではない。
点差に不満があったのかを問われた山本HCはこう付け加えている。
「例えばファンブルもですけど、ちゃんとスコアできたポイントがあったと思います。そこらへんを詰め切らないと、JXB決勝のオービックさんが相手だとしっかりと止めてくると思うので、フィニッシュの精度を上げてしっかりと準備したいです」
指揮官の視線がすでに頂上決戦へ向いているからこそ、結果の細部までこだわるというわけだ。
快勝劇の一方で、ラン攻撃の要であるランニングバック(RB)サマジー・グラントは前節のラン11回5ヤードに続き、この日もわずか26ヤードに抑えられた。
「難しいディフェンスをされているわけではありません。次の試合には修正したい」
山本HCはJXBのオービックシーガルズ戦までの課題として、グラントを軸とした地上戦の立て直しを挙げる。
さらに、「ディフェンスのゲームプランとして機能したことは良かった。ただ、ドライブされるシーンが多く、そこに関してはミスタックルが多かったので修正したい」と、7サック、3インターセプトで勝利に貢献した守備陣についても一定の評価を与えつつ、決戦に向けて注文をつけた。
雌雄を決する戦いまで約3週間。社会人4連覇中の富士通は圧倒した試合を通して見つかった細かな綻びを修正し、まだ誰も見ぬ高みを目指す。