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JXBを制したオービック大橋HC、「7年間苦しんできた力が結実した」

2020年12月16日(水) 03:49

「この勝利は7年間苦しんできたコーチ、スタッフ、選手の力がやっと結実した形です」

オービックシーガルズの大橋誠ヘッドコーチ(HC)は7年ぶり9回目のJAPAN X BOWL(JXB)制覇に喜びもひとしおだった。

2010年から4連覇を達成したものの、2013年を最後にチャンピオンから遠ざかっていたオービック。大橋HCは2016年から古庄直樹氏にヘッドコーチ職を禅譲し、自身はGMの職に退いていた。その間にオービックがJXB出場を果たしたのは2016年の一度しかなく試合にも敗れ、オービック王朝の崩壊は明白だった。

大橋氏が5年ぶりに指揮官に復帰した今季は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で例年とは違う幕開けを強いられる。リーグの開幕が1カ月ほど遅れたうえに、1週目がバイウイークだったオービックは他チームに遅れて初戦に挑むことになったが、JXB出場をかけたパナソニックインパルス戦では絶体絶命の場面で守備が踏ん張り、やっとの思いでJXBへの切符を手に入れた。

そして迎えた頂上決戦。15日(火)に行われたX1 Superの王座を決める一戦ではオービック自慢のディフェンスが奮闘を見せる。オービックに並ぶ史上最多タイの4連覇を遂げ、この試合で記録更新となる5連覇を狙った富士通を相手に、ゴール前まで攻められても体を張った守備で簡単にエンドゾーンまで侵入させなかった守備陣について、大橋HCは「思い切ったディフェンスをしてくれた。それができるだけの信頼関係を作っていたのが大きかった」と賛辞を送っている。

試合時間残り2秒となって挑んだゴール前6ヤードからのラストプレーも、久保颯が気合いの入った守備で相手のパスを食い止めた。サイドラインで見守っていたJXB最優秀選手の李卓は「絶対に止めてくれると信じていました」と全幅の信頼を寄せていたことを明かしている。

2013年からもがき苦しんできたオービックは7年間で大きく成長した。大橋HC自ら「お調子者の多いチーム」と評する集団は、これまでに培ってきた組織力を武器に、1月3日(日)のライスボウルで関西学院大学ファイターズと日本一の称号をかけて対戦する。