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疾風の九機参上! X1 Areaに旋風を起こすか警視庁イーグルス

2021年09月15日(水) 16:00

流行りの警察小説風に言うならば「X1 Area全チームに緊急配備要請!」といったところだろうか。ただし、この場合の緊急配備の対象となるのは犯人ではなく、警視庁イーグルスだ。

ダークホースの登場である。2年ぶりの秋季リーグ戦参加となる警視庁イーグルスは12日、富士通スタジアム川崎で行われたX1 Area第2節2日目に今季初めて登場。一昨年のX1 Area総合4位のPentaOceanパイレーツに対し、31-3のアップセットを演じた。

イーグルスの勝利は2019年の第1節のブルザイズ東京戦以来で、実に743日ぶりだった。昨年は新型コロナウイルスの影響で短縮開催となった公式戦は出場辞退。今季第1節(対富士フイルムミネルヴァAFC)は公務のため11月7日にリスケジュールされている。そのため、この試合が2年ぶりの公式戦だった。

「(2年ぶりの勝利は)嬉しいの一言につきる」と寺島宏一監督は試合後に語った。「休みをつぶして何とか練習できるときにやってきた。(公式戦に出られない間)選手には試合はできないが、体作りは怠るなと言ってきた。その結果だった」

その言葉通り、イーグルスは序盤からフィジカルの強さをいかんなく発揮する。オープニングのキックオフでは主将を務めるランニングバック(RB)の富澤友貴がリターンタッチダウンを決める。このプレーで富澤は自陣30ヤード地点で1人、35ヤード地点で2人のタックルを外して90ヤードを走り切った(上段写真)。

「右に展開するプレーで、最初は中を走って相手を引きつけて、そこから外に展開した。計算通りというか、練習通りのことができた。選手一人ひとりが昨年からフィジカルの向上を行ってきたので、それが結果に繋がってよかった」と富澤は語る。

オフェンスはプレーアクションパス、オプションプレー、オプションプレーをフェイクに使ったパス、リバースなど多彩で、それぞれの複雑な動きに対応するオフェンスライン(OL)の運動能力の高さも目立った。

先発クオーターバック(QB)齋藤詩伸はワイドレシーバー(WR)山下貴也への54ヤードのパスを含む100ヤード獲得の活躍を見せ、RB伊藤碧は2TDランで貢献した。

ディフェンスはボールキャリアーに対する集まりが速く、ランプレーではパイレーツをわずか33ヤードに押さえ込んだ。ラインバッカー(LB)齊藤広貴、山口達也、ディフェンスバック(DB)税所琢磨、島貫允登がそれぞれ1インターセプトを記録するなどビッグプレーも生まれた。

イーグルスは1971年に警視庁第九機動隊内で結成された。2013年にX2からXリーグへ昇格したものの、1年で降格。2015年に再昇格して3シーズンをXリーグで戦ったが、2018年に再びX2所属となる。2019年に3度目の昇格を果たしてで現在に至る。これまでのXリーグでの通算勝利数は5で、年間の最多勝利数は2016年と2017年の2つだ。今季は5試合を残して早くも1勝を挙げた。

ヘルメットに描かれる月桂樹を咥えた鷲は「疾風(はやて)の九機」の象徴だ。その名の通り、今季のX1 Areaを席巻する風、いや、もっと威力のある台風の目となるか。次節の対戦相手は優勝候補のアサヒビールシルバースター(9月26日、富士通スタジアム川崎)だ。シルバースターを相手にどんな戦いを見せ、その後のX1 Areaでいかに存在感を示すのか。今後のイーグルスが楽しみだ。

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