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【X Factor】福岡が生んだ『和製テイサム・ヒル』 X1 Areaを席巻中

2021年10月13日(水) 19:00

あるときは184センチの長身を生かしてパスを投げ、またある時はショートパスをランアフターキャッチでロングゲインに結びつける。そうかと思えばボールキャリアーとしてフィールドを素早く駆け抜ける。まさに多彩な能力でX1 Areaを席巻するのがイコールワン福岡サンズの伊藤嵩人だ。

登録はクオーターバック(QB)だが、ワイドレシーバー(WR)としてもラインアップし、今季は第4節まででパス、パスキャッチ、ランのそれぞれで少なくとも一つはタッチダウンを記録しているX1で唯一の選手である。

そのマルチなプレースタイルからついたニックネームが「和製テイサム・ヒル」。テイサム・ヒルとはNFLニューオリンズ・セインツ所属で、QB/WR/タイトエンド(TE)/ランニングバック(RB)といろんなポジションで出場して活躍する選手だ。

「(2つのポジションでプレーするのは)吉野(至ヘッドコーチ)さんのアイディアです。去年はQB1本で出場していましたが、今年の春にコンバイン(チーム内計測会)などをするうちにレシーバーとしても試合に出たくなって。それで、吉野さんに少しずつアピールして許可をもらいました」と伊藤は言う。

西南学院大学でアメリカンフットボールに出会った伊藤は最初はTEとQBを兼任していたが、ディフェンスのマンツーマンカバーに対して強いことが同大学グリーンドルフィンズの監督でもある吉野HCに評価されてWR/QBとなった。しだいにQB専任になっていき、2019年の4年生時には「九州にすごいQBがいる」と評判になった。

大学日本一決定戦の甲子園ボウルには縁がなかったが、卒業前にはいくつかのXリーグチームからセレクションへの誘いを受けたという。そんな伊藤が選んだのは生まれ育った福岡に本拠地を置くサンズだった。その理由は彼の大学時代からのあこがれの的であるチームメート、WR岩永悠暉の存在だった。岩永は伊藤が西南学院大学の1年生だった時の4年生。伊藤は当時のグリーンドルフィンズが「まさに『岩永さんのチーム』でした」という。「ずっとあこがれていて、あんな選手になりたい」と思ったのだそうだ。

「自分がアメフトにハマるきっかけになったのが岩永さんなんです。その岩永さんとアメフトがしたかった。(社会人で)アメフトを続けるかを迷っていた時に、ちょうど岩永さんが転職して、アメフトするために仙台から福岡に来るというのを耳にしました。『悠暉さんともう一回できるのならめちゃくちゃ嬉しい』と思ってサンズに来ました」

大学時代はQBとして知られた伊藤だが、サンズではずっとレシーバーとしてプレーしたかったのだと言う。エースQB西山雄斗のバックアップとして位置づけられ、入団1年目の昨年の試合出場もQBだった。

「自分としてはもっと試合に出たいというのもあったし、レシーバーでもっとできるんじゃないかなと思っていました。WRもQBもプレーするときの責任感は同じです。ただ、ずっとやりたかったので、レシーバーのほうがのびのびとプレーできます。こういう使いかたをしてくれる監督はなかなかいないと思うので、吉野さんには感謝しながらプレーしています。与えられたポジションならどこでも頑張りたいですね」

今季ここまで伊藤は全試合に出場し、QBとしては10回の試投で6回のパス成功、81ヤード獲得で1タッチダウンパス成功という成績だ。パスでは10回のパスキャッチで181ヤード(X1 Area 9位)、2タッチダウン、ランでは18回のボールキャリーで168ヤード(同8位)、1タッチダウンを記録している。第2節ではオフェンスの週間MVPに輝き、その次の節では51ヤードのタッチダウンランがPlay of the Weekに選ばれた。

社会人2年目にして早くも高評価を得ている伊藤だが、自分のパフォーマンスには満足していない。「練習で出せているスピードをまだ100パーセント出し切れていないです。(第4節のパイレーツ戦は)割と自分が思い通りに走れているという感覚で試合ができたので、そこはよかったんですが、全然まだまだとは感じます」と伊藤は語る。

第4節終了現在、福岡サンズは3勝1敗で、X1 Area総合順位で同率3位だ。来季のX1 Superへの昇格を手にする上位4チーム入りは十分な射程距離の範囲内にある。もちろん、チームの今季の目標も昇格にある。

「X1 Superは全く見たことのない世界なので、どのぐらいのレベル感かというのが全然わからないですけど、ただやるからには(昇格を)目指したいと思っています。このチームでX1 Superで勝って行けたら、しかも九州からそういうチームが出てきたらめちゃくちゃ面白いなって感じます。ちょっと未知で怖い部分ではありますけど、チャレンジしていきたい存在ではあります」と伊藤は言う。

最後に、「アメフトをやっていてよかったと思う瞬間は?」と問うと、「やっぱり充実(を感じること)ですね」という答えが返ってきた。「社会人でアメフトをしていない自分って何をしているんだろう?ってすごく考えるんです。今は週末にアメフトをするために平日を過ごしているイメージです。『社会人でいろいろ大変ですか?』と聞かれますけど、『好きでやっているんです』と答えます。人生がすごく充実してるなあって思います」

伊藤嵩人(いとうたかと)
1997年10月16日、福岡県出身。 西南学院大学卒。
イコールワン福岡サンズQB、背番号8
184センチ、 88ロ

イコールワン福岡サンズ
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