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【X1 Super】堅守のオービック、ノジマ相模原との雨中の決戦制す セミファイナルはパナソニックと対決

2022年11月20日(日) 21:59

X1 Superレギュラーシーズンのライスボウルトーナメント(RBT)クオーターファイナルは20日、Division B 2位のオービックシーガルズとDivision A 3位のノジマ相模原ライズが横浜スタジアムで対戦した。雨が降りしきる中行われた一戦は、オービックのディフェンスが瀬戸際で踏ん張ればオフェンスも呼応し、21対9でノジマ相模原を下した。セミファイナル進出を決めたオービックの次戦は関西に遠征し、Division A 1位のパナソニック インパルスとライスボウル進出をかけて激突する。

照明に明かりが灯り、第2試合から降り続く雨の悪コンディションのなか行われたクオーターファイナル最後の1試合。オービックはいきなりフィールドゴールで先制を許すと、さらにクオーターバック(QB)ジェイソン・スミスがファンブルを犯し、自陣29ヤードで攻撃権を喪失してしまう。しかしこの窮地を守備陣が踏ん張り、フィールドゴールによる3点でピンチを乗り切った。

その後もゴール前1ヤードまで迫るも、フォースダウンギャンブルを止められ、エンドゾーンまでが遠いオービック。しかし、QBスミスがワイドレシーバー(WR)木下典明、タイトエンド(TE)ホールデン・ハフへの連続パス成功でゴール前1ヤードまで進入。反則などで10ヤードまで下げられたが、最後はQBスミスが、軽快なフェイクでマークを振り切ってフリーになったWR西村有斗へタッチダウンパスをヒット。その後のキックも成功させたオービックが、逆転に成功する。

追う立場になったノジマ相模原は、QBカート・パランデックがミドルのパスを確実に決めるなど着実に敵陣まで進攻。しかし、レッドゾーン内まで進入しながら、三度オービックの堅守にタッチダウンを阻まれ、フィールドゴールによる3点止まり。それでも、主導権を握り返して、前半を折り返した。

後半に入ると、序盤はお互いのディフェンスが踏ん張りこう着状態が続くが、そのムードを払しょくしたのがオービックのQBスミス。オーバーン大学出身の司令塔は、自陣33ヤードからスタートしたドライブで、木下や中村輝晃クラークへミドルのパスを冷静に通して、ノジマ相模原陣内まで進攻。そして、敵陣41ヤードからは重苦しい雰囲気を振り払うような快足で相手守備4人を抜き去り、そのままエンドゾーンまでボールを運んだ。さらに2点コンバージョンも成功させて、オービックが15対9とリードを広げた。

スミスの健脚で再び主導権を握り返したオービックは、ノジマ相模原の45ヤードフィールドゴールトライをカーデル・ローリングスが身長186センチの高さを生かしてブロック。自陣35ヤードで得た好機を、高坂將太の37ヤードフィールドゴールにつなげ加点した。

そして、続くノジマ相模原のフォースダウンギャンブルをきっちり止めたオービックだったが、QBスミスがこの日2度目のファンブルで攻撃権を逸してしまう。試合残り時間は6分弱。フィールドゴールでも決められればまだ試合の行方は分からない。そんな中、ディフェンスバック(DB)助川左門が大きな仕事をやってのけた。東京大学出身のルーキーは、自陣35ヤード付近で相手QBのパスをインターセプト。レギュラーシーズンでもピックシックスを成功させている助川は、44ヤードを走り敵陣21ヤードまで戻した。

新人のビッグプレーでモメンタムを引き寄せたオービックは、このチャンスに高坂がこの日2本目のフィールドゴールをきっちりと沈めて追加点を挙げる。リードを広げたオービックは、その後も鉄ぺきのディフェンス陣がノジマ相模原に得点を許さず、そのまま逃げ切ることに成功した。