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【RBTセミファイナルの見どころ】パナソニックの高得点オフェンスに対抗するオービックの鉄壁ディフェンス 勝つのは「矛」か「盾」か

2022年12月08日(木) 18:00


ライスボウルトーナメント・セミファイナルは11日、大阪・ヨドコウ桜スタジアムでパナソニック インパルスとオービックシーガルズの対戦で幕を開ける。アメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第76回ライスボウルへの出場権を懸けた戦いだ。

この試合の見どころはパナソニックのハイパーオフェンス対オービックの堅固なディフェンスという構図に尽きるだろう。パナソニックは今季レギュラーシーズン 5 試合での総得点は 271 で、X1 Superで断トツのトップだ。しかも、開幕節のノジマ相模原ライズ戦を除いてオフェンスのファーストシリーズでタッチダウンをあげているのだ(クオーターファイナルのアサヒ飲料クラブチャレンジャーズを含む)。ディフェンスは相手のファーストポゼッションをすべて無得点に抑えているから、先制した後に得点を重ねて試合に勝つのが今季のパターンだ。

クオーターバック(QB)ジェイロン・ヘンダーソン(上段写真)は第3節あたりからオフェンスを「掌握」した印象だ。メインのパスターゲットであるワイドレシーバー(WR)アルフォンゾ・オヌワーを中心に、小倉豪、木戸崇斗、渡邊ジャマールらにボールを回す。また、自らの判断でパスプロテクションのポケットから飛び出し、スクランブルランで距離を稼ぐこともできる。

ラン攻撃はランニングバック(RB)ミッチェルビクタージャモーと立川玄明がタッチダウンを量産する。スピードのミッチェルとパワーの立川のコンビネーションは強力だ。

パナソニックはディフェンスも強く、レギュラーシーズン中は2回の完封勝ちを記録した。最近2試合に欠場したラインバッカー(LB)ジャボリー・ウィリアムスもオービック戦には復帰する見込み。さらにCFLから帰国したLB丸尾玲寿里も出場登録を完了させた。二人が同時にフィールドに立てばパナソニックディフェンスの強さはもう一段階上にあがるだろう。

ディフェンスならオービックも負けていない。今季は鉄壁ディフェンスがここまでチームを引っ張ってきたと言っても過言ではない。それが象徴的に表れたのがクオーターファイナルでのノジマ相模原ライズ戦だ。

激しい雨の降る横浜スタジアムで行なわれたこの試合では、自陣30ヤード以内に5回も攻め込まれたが、3本のフィールドゴールを許したのみでタッチダウンは許さず、最後までエンドゾーンは守り切った。

ディフェンスライン(DL) 佐藤将貴、清家拓也(下段写真)、LB高橋悟、ディフェンスバック(DB)助川左門、ショーン・ドレイパーらは注目選手だ。ここぞというときにビッグプレーを生む選手ばかりで、助川もライズ戦で値千金のインターセプトでチームの勝利に貢献した。新人ながら3インターセプトを記録している逸材だ。

ジェイソン・スミスが率いるオフェンスはしり上がりによくなってきた。縦横無尽に走る脚力があり、ロングパスを通す肩の強さも併せ持つ。ボールセキュリティには課題が残るが、ランとパスを織り交ぜた多彩な攻撃はディフェンスにとって厄介だ。

地上戦では新人の西村七斗と大河原陸に加えCFLから 帰国の李卓と人材が豊富で、 空中戦となればタイトエンド(TE)ホールデン・ハフやWR中村輝晃クラークがスミスの好ターゲットとなる。

過去3回の対戦はいずれも1ポゼッション差以内で決着した。パナソニックは早い段階で点差をつけてオービックの強力なランを封じたい。一方のオービックは可能な限り僅差のロースコアゲームに持ち込み、競り勝つ展開を作ることが重要だ。

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