ニュース

【Frontiers’ Road to Rice Bowl 76 Vol. 5】第5節:劣勢を強いられたオービックシーガルズ戦 ケガから復帰のDB奥田凌大の値千金のINT〈短期集中連載〉

2022年12月30日(金) 07:01

最終節は宿敵オービックシーガルズとの頂上決戦となった。富士通フロンティアーズはここまで4戦全勝。対するオービックは3勝1分けだ。勝ち点こそ差があるが無敗同士の対戦で、勝った方がDivision B1位としてライスボウルトーナメントに進むという位置づけの試合だった。

最近4年間の対戦で5勝1敗とオービックに対して優位に立つ富士通だったが、この試合は序盤にミスが続き、山本洋ヘッドコーチ(HC)が「過去に経験がない」という0-12のビハインドに追い込まれた。

最初の攻撃はクオーターバック(QB)高木翼がオービックのディフェンスライン(DL)平澤徹のタックルを受けてボールをファンブル(上段写真)。これをリカバーしたオービックはキッカー(K)山﨑丈路のフィールドゴールにつなげて先制した。

続くドライブでは自陣33ヤードからのパントに追い込まれるが、この際のロングスナップがパンター(P)吉田元紀の頭上を大きく超えてエンドゾーンへ転がり込む。吉田が機転を利かせてボールをエンドゾーンから外にはじき出したが、これによりセーフティでオービックに2点を計上。さらに、この後のオービックはCFLから帰国して2年ぶりの国内試合復帰となったランニングバック(RB)李卓のランでタッチダウンを奪って12点差とした。

富士通は第1クオーター終了間際の高木からワイドレシーバー(WR)松井理己への24ヤードタッチダウンパスなどで反撃を始めるが、オービックの堅い守備に阻まれてオービックにリードを許したまま第4クオーターを迎えることになる。

第4クオーターの3分18秒にK納所幸司が28ヤードフィールドゴールを成功させて、ようやく富士通は18-18に同点に追いつき、ゲームを振り出しに戻す。ここから試合は膠着状態を迎えた。

富士通にとっては同点のまま試合が終わっても1位通過のできる状況だったが、ここで勝利を呼び込むビッグプレーが生まれる。試合時間残り1分14秒から始まったオービックの攻撃の2プレー目でQBジェイソン・スミスが投げたボールを、この試合で故障からの復帰を果たしたディフェンスバック(DB)奥田凌大(中段写真右)がオービック陣内45ヤードでインターセプト。10ヤードをリターンして敵陣35ヤードでオフェンスにバトンを渡した。

RBトラショーン・ニクソンの11ヤードランでさらに前進した富士通は試合の最後のプレーで納所(下段写真右)が41ヤードのフィールドゴールを難なく沈めて、最終スコア21-18でゲームオーバーとなった。

プレーオフを前に苦しい試合を経験してそれを克服したこと、奥田が復帰戦で勝利に大きく貢献したことなど、富士通にとってはレギュラーシーズンを全勝で終える以上の収穫が得られた試合だった。

次回:Vol. 6 RBTクオーターファイナル:攻・守・スペシャルチームの全分野で得点 雨も味方につけて「1回戦」突破

関連リンク

■ライスボウル特設サイトはこちら
■チケット情報はこちら
■XリーグTVはこちら