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【Dream Bowl】「自分のたちの持っているものを出すことに集中しよう」 全日本選抜チームをひとつにする趙翔来主将の「言葉力」

2023年01月18日(水) 18:43


「アメリカに勝てるのかなんて思いながら練習している奴がいたらその考えはやめたほうがいい。結果なんで誰にもわからない。大事なのは自分たちの持っていることを出すこと、それに集中しよう」

「俺らトップ選手でしょ?そのプライドを持とうよ。絶対できるから」

「(全日本選抜に)残れなかったメンバーもそれぞれのチームに帰って、ここでの練習をチームで活かそう。そして、それをスタンダードにしよう」

「今、アメリカに勝つチャンスがあるのは俺たちだけだ。奴らに勝つにはどうすればいいかを考えて準備しよう」

1月22日に国立競技場で行われるJapan U.S. Dream Bowlに出場する全日本選抜チームがこの2週間で行った5回の練習の中で趙翔来主将(富士通フロンティアーズ)が練習終了後のハドルの中で発した言葉だ。日本フットボールの精鋭60名が集まったチームを引っ張るリーダーの言葉である。

この言葉を聞く選手たちの表情が印象的だった。ディフェンスバック(DB)中谷祥吾(IBM BIG BLUE)、オフェンスライン(OL)笠井英治(ノジマ相模原ライズ)といった、それぞれのチームで主将を務めた経験のある選手たちが真剣なまなざしで趙を見つめ、その言葉に大きくうなずく。主将経験者をして素直に首肯させるだけの力が趙の発する言葉にはある。

「本当に自分の思ってることを伝えていかないといけないと思っています。遠まわしに言ってもなかなか伝わりづらいですから」と趙は言う。富士通でも主将を務める彼は練習後、試合後、ミーティングで発言をする機会が多い。高校時代から大学、社会人を通じてチームキャプテンを務めてきたなかで、チームメートにどのようなメッセージを伝えたいと考えているのだろうか。

「以前は『そんなのは全然ダメだ』とか、『全然できていない』という言い方をしてしまうことが多かった。でも、言霊じゃないですが、『ダメだ、ダメだ』って言っているとみんなは本当に俺たちはダメなのかなって思ってしまう。2021年と2022年シーズンは『俺たちはできるよ、もっとやろう』というトーンに意識的に変えていきました。時にビシッと厳しく言うときはありますが、できるメンバーが集まってるのだから『持っている力をだそうぜ』というような話しぶりにしてます」


全日本選抜チームの主将を任されたのはライスボウルで富士通が2連覇を果たした直後、一次選考メンバーが初めて集まって練習を行う2日前のことだった。コーチ陣で話し合って趙に任せたいという結論に至ったことを山本洋ヘッドコーチ(富士通HC)から伝えられた。 富士通でも過去3年間キャプテンとしてリーダーシップを発揮してきただけに抵抗はなかった。

「個性の強いメンバーがいるので、主将だということはあまり意識しないです。本当に頼もしいメンバーなので、僕はみんなの力を引き出してひとつの塊になっていけたらなと思っています」

未だ日本フットボールが破れずにいるアメリカの壁。「リーダーの中のリーダー」趙キャプテンの下、全日本選抜チームは一丸となってアイビーリーグ選抜チームに挑み、歴史の新しい1ページをめくる。

関連リンク

Japan U.S. Dream Bowl特設サイト https://xleague.jp/feature/dreambowl2023
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