ニュース

【Dream Bowl】インタビュー:アイビーリーグ選抜QBライアン・グローバー「日本の選手と友達になりたい」 

2023年01月20日(金) 22:20

アイビーリーグ選抜チームの練習が行われた20日、オフェンスユニットの練習で軽快なステップワークから綺麗にスパイラルのかかったパスを連発し、ときには脚力を活かしてディフェンダーの裏をかくクオーターバック(QB)の姿があった。ペンシルベニア大学のライアン・グローバーだ。2019年までペンシルベニア大学でプレーし、その後はグラデュエートトランスファー(大学院生としてのトランスファー)してウェスタンカロライナ大学、カリフォルニア大学バークレー校、メンフィス大学でプレーしてきた選手である。

Xリーグでは練習後にグローバーと1対1のインタビューを行った。

Q:日本に来て6日目。これまでの体験はどうですか?

ライアン・グローバー(以下RG):素晴らしい体験です。みんな親切で歓迎してくれる。あらゆることに気を配ってくれるのでとても楽しく過ごしています。

Q:日本でアメリカンフットボールが行われることを知ると驚くアメリカ人が今でも多いです。あなたはどうでしたか?

RG:3年前にペンシルベニア大学が中国に遠征したことがあり、私もその試合に出場しました。その時にアメリカ以外でもアメリカンフットボールが行われている国があるのだと知りました。私にとって日本でフットボールが行われていることは驚きではありませんでしたが、今回来日しているメンバーの中では知らなかった選手もいます。

Q:日本のフットボールは見たことがりますか?

RG:いえ、ありませんでした。SNSやゲームハイライトを見た程度です。日本でもプレーしたジェロット・エバンス(2021年に東京ガスクリエイターズ所属)とは以前から友人で、彼は中国でプレーしていたので話は聞いていました。彼は日本はずっとレベルが高いと話していました。選手のフットボール歴も中国の選手より長いとも。日本のフットボールの歴史が70年もあると知って驚きました。素晴らしいと思います。

Q:今度の試合は混合チームです。いろんな学校から集まった選手と一緒にプレーするのは難しくないですか?

RG:難しいのはこの状況に早く慣れなければいけないことですね。練習できるのが5~6日間しかない。そして、最も大事なことはフィールドの外でも選手同士が親交を深めることです。私たちは毎日一緒にいるので、練習以外でも友達になり、ケミストリーを築いています。それはきっと試合にも役立つと思っています。

Q:アイビーリーグは8校が総当たり戦をしますから、お互いに見知った間柄ではないのですか?

RG;いえ、私は誰も知りませんでした。同じペン(ペンシルベニア大学)の仲間しか知りませんでした。でもここにきて少なくとも50人の友達ができました。この友情は大切にしたいと思います。

Q:グローバー選手はペンのほか3つの大学でプレーしました。これらの経験はあなたのキャリアにどのような影響を与えましたか?

RG:とても大きな影響があったと思います。6年間で4つの大学に行きました。その間に経験したオフェンスシステムは5つです。だから、毎年新しいフットボールシステムを学んでいたようなものです。それがあったからこそ私はよりシャープにプレーすることができています。ただ、本来はQBは同じシステムで長くプレーするべきだと思います。その方が最終学年になる頃には本当にいいプレーができるようになります。私の場合はオフェンスを素早く覚えなければいけませんでした。それはそれでよかったと思います。

Q:いろんなシステムを経験したQBが成功するのは(ハーバード大学出身の)ライアン・フィッツパトリックがいい例ですね。

RG:その通りですね。(13のNFLチームでプレーした)ジョシュ・ジョンソンもそうでした。ジャーニーマンと呼ばれるQBは何人かいますが、私もある意味でジャーニーマンです。

Q:でも、いい意味でのジャーニーマンですね。さて、このアイビーリーグ選抜は主にコロンビア大学のシステムを使っていると思います。同大学のアル・バグノリさんがヘッドコーチを務めていますから。

RG:そうです。バグノリコーチとオフェンスコーディネーターが素晴らしい準備をしてくれていると思います。システムを学ぶ時間が1週間しかないので、かなりプレーを絞って簡潔化しています。他大学の選手にとっては新しいシステムですからね。プレー数はかなり絞っています。例えばペンでは1試合に100プレーくらい使いますが、このチームはたぶん30プレーくらい。私たちはみんな、この30プレーを1週間でマスターしようとしているんです。

 

Q:ペンシルベニア大学のことが話に出ましたが、他大学でプレーした後、またこうしてペンとアイビーリーグの一員としてプレーするのはどんな気持ちですか?

RG;ペンは私の母校です。私が卒業した大学です。3年半プレーしたペンには愛着があります。ほかのどの大学よりも長くプレーしましたから。そして、このチームは子供のころに一緒に育った選手もいます。例えばランニングバック(RB)のイザイア・マルコムは10歳のころから一緒にプレーしています。ペンでも一緒でした。それが今こうして月日が経って、日本でプレーしているというのも不思議な縁です。

Q:あなたはパスもランも得意なQBですね。これがプレースタイルですか?

RG:そうです。自分ではデュアルスレットのQBだと思っています。マインドセットとしてまずはタッチダウンパスを狙います。ランでのタッチダウンというのはいわばバックアッププランですね。パスを投げるのは間違いなく大好きです。

Q:日曜日の全日本選抜との試合はどんな試合になりそうですか?

RG:楽しい試合になるといいですね。そして、チームメートとは家族のようになりたいし、日本の選手とも親交を深めたいです。日本の選手とはぜひ友達になりたい。そして、日本の皆さんにはぜひ試合を楽しんでほしいです。それができたらこの日本への遠征はとても価値あるものになると思います。

Q:最後に、今後のプランについて教えてください。

RG:できるだけ長くプレーしたいし、数か月後にはNFLにも挑戦したいです。それがかなわなければニューヨーク市に行って金融の道に進みます。

Q:Xリーグでプレーするという選択肢は?(笑)

RG:ありですね(笑)。もちろん、そんな話は今はないけどどんなことでも面白いに違いありません。高いレベルでフットボールをするというのは特別なことなんです。とても幸せなことだと思います。

関連リンク

Japan U.S. Dream Bowl特設サイト https://xleague.jp/feature/dreambowl2023
チケットはこちらから