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【X1 Super】拮抗した展開が続く中、エレコム神戸が逃げ切って凱歌

2019年08月26日(月) 07:18

X1Super第1節の2日目。真新しい芝も鮮やかなエキスポフラッシュフィールドにて、エレコム神戸ファイニーズと東京ガスクリエイターズが対戦した。

新加入選手らへの期待も大きいが、なによりエレコム神戸の米倉輝監督と、東京ガスの板井征人ヘッドコーチは、関西学生リーグ時代からのライバル同士。互いの心理戦にも注目が集まる中、両者が交互に得点を決めてどちらが勝ってもおかしくない試合展開が繰り広げられた。

エレコム神戸のキックで試合開始。K山崎丈路(#12)のキックは大きく伸びてタッチバック、東京ガスの攻撃が始まる。

エースRBホワイト・アンドレ(#27)を中心に攻撃を仕掛けるも、思い通りに行かないまま攻守交替。

一方、エレコム神戸は敵陣36ヤードからQBコーディー・ソコール(#19)のパスと、RB芦田龍居(#24)のランで前進。ゴール前12ヤードから一気にタッチダウンを狙うパスを放つが、東京ガスのDB富田秀勝(#32)にインターセプトを決められ、立ち上がりから両者均衡した試合展開となる。

WRアルフォンソ・アヌワー(#21)がタッチダウンパスを受けて先制する


ゲームが動き始めたのは、第1クォーター終盤。QBコーディーからWR金岡宗和(#84)へ25ヤードのパスが成功。敵陣5ヤード付近までボールを進め、期待の新人WRアルフォンソ・アヌワー(#21)へのタッチダウンパスで、エレコム神戸が7-0と先制に成功する。

第2クォーター、自陣35ヤード付近でパスの体勢に入ったエレコム神戸QBコーディーに、東京ガスのDLレーガン・ジェブライ(#20)がQBサック。これがファンブルを誘い、DL馬場倫太郎(#94)がリカバー。敵陣25ヤードからと東京ガスに得点のチャンスが舞い込んだ。

QBウーズィー・イカイカ(#6)がタッチダウンを狙うパスを何度か放つも、ターゲットから少し逸れて失敗。結局フィールドゴールを選択、3-7となった。

その後、互いのディフェンス陣が踏ん張る中、エレコム神戸のランが光る。自陣40ヤードでハンドオフを受けたRB白神有貴(#44)が、次々と相手タックルをかわし、最後は60ヤード独走のタッチダウンラン。14-3と突き放す。

RB白神有貴(#44)が60ヤードの独走タッチダウンランを決める


だが、11点差ではまだまだ勝敗がわからないのがフットボール。第2クォーター終盤から東京ガスの連続パスが成功して、ドライブ開始。板井ヘッドコーチから注目選手として挙げられていた新人WR加藤侑矢(#14)への38ヤードパスでタッチダウン。10-14の4点差となり、タッチダウン1本での逆転もあり得る状況となる。

しかし譲らないエレコム神戸は、前半終了間際にゴール前1ヤードのシチュエーションまで持ち込み、RB白神のパワープレーを選択。だがこちらも意地を見せる東京ガスのDL陣に阻まれ、2ヤードのロス。

ここからQBコーディーのキープで残り1ヤードとすると、最後はWRアルフォンソへゴールラインぎりぎりのパスでタッチダウン。21―10で前半が終了する。

息の合ったQBウーズィー・イカイカ(#6)とRBホワイト・アンドレ(#27)のコンビ


後半、東京ガスはQBウーズィーとRBホワイト・アンドレ(#27)のコンビを中心に、ランとパスを織り交ぜながら逆転を目指す。4回連続のダウン更新で敵陣1ヤード付近まで迫り、中央のQBキープで守備陣を切り抜けタッチダウン。トライフォーポイントの2ポイントコンバージョンは失敗するものの、16-21と追いあげた。

その後、突然の豪雨もあって両チームに疲れが見え始めるが、最後まで互いに拮抗した展開が続く。

東京ガスのオフェンス陣は試合が進むごとに波長が合い始める。それに対し、エレコム神戸はディフェンス陣が監督も高く評価する粘りを見せ、得点を許さない。

試合終盤、エレコム神戸QBコーディーへターゲティングの反則があり、司令塔がQB糟谷啓二郎(#11)へと交代。QB糟谷は時間を上手く消費。21―16のまま、終止符を打った。

エレコム神戸の米倉監督は「1年目、2年目の選手が多い若いチームが勝ち切ったことはすごくプラスになる」と、渋い試合での一勝を噛み締めた。

一方、板井ヘッドコーチは「最後、勝ちたかったけれど、これから改善していかないといけない」と悔しさを見せる。後半のオフェンス陣の頑張りを「アジャストもしたが、体力がついているので後半の方が力を出しやすい」と評価した。

試合後、二人は握手を交わし笑顔もみられた。長いリーグ戦は始まったばかり。両雄の今後の活躍に注目したい。

Text  南優希
Photo  エムアイプランニング