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富士フイルム海老名優勝の原動力は競技歴5か月未満のキッカー兼パンター大野郁哉

2023年06月21日(水) 15:34

「大野のキックが要所で良かった」。

Jr.パールボウルトーナメントで優勝した富士フイルム海老名Minerva AFCの朝倉孝雄ヘッドコーチ(HC)が、試合後に真っ先に名前を口にしたのが、今季からチームに加入したキッカー(K)兼パンター(P)の大野郁哉だった。

この日の大野は、6回のパントで平均39.7ヤードを記録。そのうち2回は警視庁イーグルス陣内5ヤード以内に蹴りこみ、相手を自陣に張り付けた。

また、プレースキックでも相手陣内奥深くに蹴りこむなど、富士フイルム海老名は攻守で良い位置から進められ、それがロースコアゲームを制する一因ともなった。

それだけに朝倉HCも「キックカバーもコーナーのリターンしにくい場所に確実に蹴ってくれていたので、春の成果が出てきた感じがします。オフェンスもディフェンスも比較的良いボールポジションで始められた。そこが今日の試合で一番良かったところ。攻守で安心して試合を見ていられた」と話し、新人キッカーの出来に目を細めた。

大野は今季から加入したルーキーだが、2月にアメフトを始めたばかりだというからまだ5か月も経過していない。にもかかわらず、X1 Areaの中でも飛距離、正確性ともトップクラスといっても過言ではない。そして、これから研鑽を積んでいけば、X1 Superの中に入ってもそん色ないかもしれない。なんとも末恐ろしい逸材だ。トップリーグ入りを目指す富士フイルム海老名にとって、強力な飛び道具が加入した。

富士フイルム海老名は、これで春のシーズンが終了。8月末から始まる秋シーズンに向けてさらなる鍛錬をして挑む。

朝倉HCは、X1 Area相手には3連勝で終えた春季について、「X1 Areaの中で図抜けた力はまだないと思います。今日の警視庁さんを含め、秋はもっと接戦になってくる気がします。ただこういった形でゲームを作りながら試合を勝つことができたのは選手にとって良い経験になったと思います」と総括。

秋に向けては、Jr.パールボウルトーナメント3試合で1試合平均15点だっただけに、「得点力を上げていきたい」と話した。

今季からはホームタウンの神奈川県海老名市の名前をチーム名に付記し、新たな船出となった富士フイルム海老名。幸先良いスタートを切った春の経験を糧に、秋にはさらに成長して大輪を咲かせられるか注目したい。

編注:記事初出の際に富士フイルム海老名K大野郁哉選手の名前が間違って記載されました。お詫びして訂正いたします。

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