ニュース

【X1 Area】名古屋サイクロンズが後半に畳みかけて逆転勝ち 三菱商事Club TRIAXを下して今季初勝利

2023年10月01日(日) 20:09

【QBキープで勝利に貢献した名古屋サイクロンズの海野暢生】

X1 Area第3節、名古屋サイクロンズ対三菱商事Club TRIAX戦は1日、大阪府吹田市のMKタクシーフィールドエキスポで行われた。開幕から2試合続けて惜敗だった両チームの対戦となったが、名古屋が三菱商事に20‐3で勝ち、成績を1勝2敗とした。一方で三菱商事は3連敗となり、今季初勝利は次節以降に持ち越しとなった。

最初に攻撃権を得た三菱商事は連続してランで攻撃し、小刻みに前進して2回続けてファーストダウンを更新。初めて投げたパスがクオーターバック(QB)松下嶺からランニングバック(RB)大路航輝に通り、フィールドゴール圏内まで入る。そして、第1クオーター6分20秒にキッカー(K)小島駿吾が41ヤードのフィールドゴールを成功させて3‐0と先制した。

その後の名古屋の攻撃は、QB是澤太朗と海野暢生を併用するオフェンスを展開。是澤はパス、海野は自らキープしてのランを中心に組み立て、前進する。フォースダウンから一度はフィールドゴールが失敗となったが、このプレーで三菱商事にイリーガルフォーメーションの反則があり、名古屋はオートマチックファーストダウンを獲得。名古屋の攻撃が続き、第2クオーター開始直後にK松久拓斗が33ヤードのフィールドゴールを成功させ、同点に追いついた。前半はこのまま終わり、勝負は後半に持ち越された。

【タックルを振り切って走る三菱商事Club TRIAXのRB伊藤隆貴(右)】

後半最初の名古屋の攻撃はファーストダウンを一度更新したもののその先が進まずパントで攻撃権は三菱商事へ。三菱商事はQB山際陽介のキーププレーやRB伊藤隆貴のランで前進し、一度ファーストダウンを更新したものの、その後のランプレーでファンブル。これを名古屋のラインバッカー(LB)山田直季がリカバーして攻守交代となった。結果的にこのターンオーバーが三菱商事にとっては痛かった。

敵陣で攻撃権を得た名古屋は、QB是澤からのパスが2本成功するなど着実に前進し、最後はゴール前2ヤードからRB畑中星哉がエンドゾーンに走りこんだ。両チームを通じてこの試合初めてのタッチダウンで10‐3とリードを奪った。

その後も三菱商事オフェンスは名古屋の守備に阻まれ、苦しい展開を強いられる。早めにタイムアウトを取るなど反撃を試みたが、チャンスを作れず追加点がないままに終わる。名古屋守備陣のボールへの集まりが速く、鋭いタックルが目立った。

【2本のFGを成功させて名古屋K松久拓斗(4番)】

名古屋のオフェンスはボールをコントロールしながら時間を消費して、相手に攻撃機会を与えない。第4クオーターにフィールドゴールで3点を追加し、試合時間残り2分33秒にゴール前5ヤードからQB是澤からワイドレシーバー(WR)河上遼へのタッチダウンパスが成功し、20‐3とした。このまま試合終了となり、名古屋は嬉しい今季初勝利を手にした。三菱商事は前半に健闘するも後半に突き放され、第3節も勝利はならなかった。

名古屋の小林真樹ヘッドコーチは「昨年のこのカードは10‐3のロースコアで勝つことができた。(昨年は)初顔合わせで賢いチームだとの印象があり、ひとつのことをやりきる精度が高いと思った。今日は、オフェンスではQBのランも含めないと相手のディフェンスに対抗できないと考え、是澤と海野の併用にした。二人を疲弊させずフレッシュな状態で使いたかったので、併用がうまくいったと思う。ディフェンスについては、集まって相手を止めることがコンセプトだった。集まりが良かったときに相手のファンブルを誘い、リカバーできた」と語った。

次節は岡崎でのPentaOceanパイレーツ戦だ。「昨年の岡崎での試合は対戦相手が富士フイルムで、残り48秒で逆転負けした。その日は1,000人プロジェクトで約980人のファンに来ていただき、興行としては成功したが、試合で負けて心残りだった。今年の相手はパイレーツ。X1 Areaでは実力上位のチームだと思う。なんとか勝負できる点を見つけて、試合に向けて練習していきたい」と意気込みを語った。