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【X1 Super】王子スタジアムでの全勝対決はオービックに軍配 アサヒ飲料に逆転勝ちで開幕3連勝

2023年10月09日(月) 21:28

【オーバーショルダーでパスをキャッチするオービックシーガルスWR西村有斗  ©X LEAGUE】

X1 Super第3節、アサヒ飲料クラブチャレンジャーズ対オービックシーガルズの一戦は9日、神戸市王子スタジアムで行われた。ともに2連勝同士の対決になったが、得点力の高さを見せつけたオービックが35‐16で勝利し開幕から3連勝とした。一方、先制点を取り、接戦に持ちこみたかったアサヒ飲料は徐々に差を広げられて敗戦、2勝1敗となった。

この日はスポーツの日。週間予報では雨が予想されていたが、前日降っていた雨は試合開始までに止み、後半に小雨が降ったが試合に影響を及ぼさなかった。最初にオフェンスになったアサヒ飲料は、これまでの2試合同様、クオーターバック(QB)ギャレット・サフロンのパスを多用。ターゲットはワイドレシーバー(WR)ブギー・ナイトが中心となった。ここに、今年新加入のランニングバック(RB)清水大和のランプレーを混ぜる。時折、清水がQBの位置に入るワイルドキャット隊形も取り入れた。最後は、ゴール目前からQBサフロンからWRナイトへのパス成功でタッチダウン。7‐0と先制した。

対するオービックは、キックオフリターンで自陣43ヤードまで戻して最初のオフェンスを迎える。QBタイラー・クルカがWR西村有斗にパスを通すと、次はWR池井勇輝にパスが成功。そして、3プレーめで再び左サイドラインを駆け上がったWR西村に鮮やかにロングパスが決まり、タッチダウン。7‐7の同点に追いついた。

【アサヒ飲料クラブチャレンジャーズWRブギー・ナイト(右) ©X LEAGUE】

次のアサヒ飲料のオフェンスがスリーアンドアウトに終わり、オービックにオフェンスが回ったところで第1クオーターは終了。このシリーズでオービックは横に投げるパスを多用したが、アサヒ飲料のディフェンスが相手の作戦を読んでいたように素早くタックルし、オービックもスリーアンドアウトに終わる。

再びオフェンスとなったアサヒ飲料は、最初にQBサフロンが自らキープして走り、いきなりロングゲインでファーストダウンを獲得。そのあと2回パス失敗が続いて迎えたサードダウンでスナップミスがあり、大きくロスしてもおかしくなかったが、ここでサフロンがディフェンスから逃げ回り、さらに果敢にWR阿部拓朗に投げてパスが成功。敵陣11ヤードまで攻めこんだ。絶好の得点機にアサヒ飲料は、ファーストダウンでラン、セカンドダウンでパスと続けたがゲインできず、サードダウンでQBサックを受けて大きくロスをしてしまう。フィールドゴールに切り替えたが、キッカー(K)西岡慎太朗のキックは左にそれて失敗。ここではゴール前でのオービックのディフェンスが強かったが、ゴール前9ヤードまで攻めただけに、アサヒ飲料は得点したかった。

【ランとパスキャッチで勝利に貢献したオービックRB李卓(背番号29) ©X LEAGUE】

続くオービックのオフェンスは、WR池井勇輝へのパスで始まり、RB李卓の2回のランで敵陣に入る。そして、サードダウンでRB西村七斗がショートパスをランアフターキャッチでスピードに乗せ、左サイドラインを走りきってタッチダウン。14‐7と逆転した。

アサヒ飲料の次の攻撃は、QBサフロンから阿部へのパスが通り、その後サフロンが自分でキープして走り、またWRナイトへのパスが成功するという展開。結局このシリーズは、K西岡がフィールドゴールを成功させ、14‐10と4点差に追い上げた。ここで前半終了まで残り57秒。このままのスコアで前半を終えるかにも見えたが、そうならない。キックオフ後のオービックは、QBクルカからWR渡邊ジャマールにロングパスを通す。そして、次に投げたパスをアサヒ飲料のディフェンスバック(DB)千葉優介がインターセプトして攻撃権はアサヒ飲料に移る。アサヒ飲料もボールコントロールして時間をつぶすのではなく攻撃した。そのアサヒ飲料の最初のパスを、今度はオービックのDB助川左門がインターセプトし、また攻撃権はオービックへ。

【2TDパスキャッチを記録したオービックTEホールデン・ハフ(中央)  ©X LEAGUE】

この時点で前半の残り時間は21秒。ここからオービックはQBクルカからタイトエンド(TE)ホールデン・ハフへのタッチダウンパスを成功させて、21‐10とリードして前半を終えた。

後半はアサヒ飲料のオフェンスから始まったが、パス攻撃を続けて前進するものの敵陣に入ったところでランでRB清水がファンブル。攻撃権はオービックに移り、オービックはRB李へのパス、そして李のランで着実に前進し、最後はTEハフへのタッチダウンパスが成功。第3クオーター終了時点でオービックが28‐10とリードを広げた。

アサヒ飲料もパント隊形からパスを投げるスペシャルプレーを成功させるなど懸命に反撃をする。WR藤俊輔へのタッチダウンパスが決まり、追い上げを見せたが2点コンバージョンは失敗し、得点は16点止まり。試合終盤にタッチダウン1本を追加したオービックが勝利した。

【ランとパスキャッチでともに1TDずつ得点したオービックRB西村七斗(中央)  ©X LEAGUE】

オービックの大野洋ヘッドコーチは、「前半戦のヤマ場と考えていたノジマ相模原ライズ戦に勝ち、今日の試合を迎えた。ディフェンスは、最初のアサヒ飲料の攻撃を止められず、先に得点されてしまった。そこが課題だと思う。一方で、オフェンスがこのスコアで勝てたことは収穫だが、積み残しもたくさんあった」と語り、攻守両面に課題を挙げ、引き締まった表情で話を終えた。