【X1 Super】好調の富士通、攻守で得点を重ね開幕3連勝
2019年09月22日(日) 08:29開幕からIBMビッグブルー、パナソニックインパルスと難敵を連破して好調の富士通フロンティアーズと、2連敗中のノジマ相模原ライズの対戦。強敵相手に2試合で100得点を挙げている富士通がこの日も7タッチダウンを決めて、ノジマ相模原に49-19で快勝した。
富士通はディフェンスも好調で、ノジマ相模原の最初のシリーズはわずか2ヤード、2度目のシリーズも6ヤードのゲインに抑え込んだ。
ダウン更新を許さないまま好ポジションでオフェンスにつなぎ、自陣46ヤードからの富士通2度目のシリーズ。最初のプレーでRBグラント・サマジー(#29)が、54ヤードのタッチダウンラン。QBバードソン・マイケル(#3)からボールをハンドオフされたRBグラントは、足をつかまれながらも密集をすり抜け右サイドへ流れる。ノジマ相模原DBのタックルもかわし、今度は左へ。スタンドが驚きの歓声をあげる中、エンドゾーンまで走り込んで先制タッチダウンを決めた。
ノジマ相模原にとって「1プレーにタックルミスがいくつも重なって取られてしまった」(ノジマ相模原・須永恭通ヘッドコーチ)痛い失点だったが、気持ちを切り替え次の攻撃に臨む。
キックオフリターンで伊藤雅恭(#23)が36ヤードの好リターン。自陣43ヤードからのシリーズでDBのリー・ハイタワー(#7)をランプレーに起用。相手陣に入ったところで4thダウン2からギャンブル勝負に出る。しかしRB小林篤実(#32)のランは、富士通の守備ラインの早い集まりに阻まれ、攻守交代。
その次のシリーズで富士通は、QBバードソンがテンポよく攻め込み、ノジマ相模原の反則も重なって3プレーでゴール前7ヤードに迫る。このシリーズはWR森田恭平(#86)への3本目のパス成功がタッチダウンとなり、富士通が14-0とリードを広げた。
第1クォーター最後のプレーで、富士通はQBバードソンが負傷退場。反則も重なり流れが傾くかと思われたが、次のノジマ相模原の攻撃で富士通ディフェンスのビッグプレーが飛び出す。
ノジマ相模原のゴール前13ヤードからの攻撃。QBジミー・ロックレイ(#11)がドロップバックしたところに、富士通LB趙翔来(#44)が強烈なファンブルフォース。これをDL高谷亮太(#92)がリカバーし、タッチダウン。守備の得点で富士通が21-0とさらにリードを広げた。
何とか得点したいノジマ相模原は、DBクエンティン・ジョーンズ(#30)をオフェンスで起用するなど総力戦だ。自陣16ヤードからの攻撃で、QBジミーがWRに入ったクエンティンに45ヤードのパスをヒットさせるなどゴール前15ヤードと迫るが、QBサックされてタッチダウンに至らず、K佐々木大輔(#35)の39ヤードフィールドゴールで3-21とする。
ノジマ相模原は、前半終了まで2分を切った富士通のシリーズでも、QB高木翼(#18)のパスをLB梶浦嵩之(#47)がインターセプト。ゴール前3ヤードからの攻撃権を得ると、このチャンスにQBジミーがWR八木雄平(#85)へのタッチダウンパスを決めて10-21と11点差に詰め寄った。
しかし直後のシリーズで、富士通はQB高木がWR中村輝晃クラーク(#81)にロングパスを連続で決め、最後はRBグラントへの18ヤードタッチダウンパスが成功。わずか43秒のタッチダウンでノジマ相模原にダメージを与え、28-10とリードして前半を終了した。
後半に入っても富士通の勢いは衰えず、交代出場したQB高木のパスが冴える。第3クォーター3分8秒、WR森田への11ヤードのタッチダウンパスが決まり35-10。
さらに直後のノジマ相模原のシリーズで、富士通はDBアディヤミ・アルリワン(#40)がインターセプトリターンタッチダウン。守備がこの日2本目のタッチダウンを奪い、42-10と大きく突き放し、試合を決定づけた。
その後、両チーム1タッチダウンずつ加え、ノジマ相模原はセーフティで2点を返したが、ファイナルスコア49-19で富士通がノジマ相模原を下した。
8チーム総当たりの新しいリーグ、X1Superで開幕3連勝とトップを走る富士通。山本洋ヘッドコーチは「今季は開幕からタフなゲームが続き、力のあるチームに対してしっかり勝ち切ることを目標にしてきたので、その点では3連勝できてよかったが、修正すべき点はまだまだたくさんある」と、気を引き締める。
第1クォーターで負傷退場したQBバードソンの穴を感じさせない試合運びで、チーム選出のゲームMVPに選ばれたQB高木も「これから先も勝ち進んでいくために、バックアップメンバーの力は大切になってくる」と話し、選手層の厚さを見せつけた。
一方のノジマ相模原は3連敗となり、上位4チームによるポストシーズンのJXBセミファイナル進出に、後がなくなってきた。須永ヘッドコーチは「4つ(試合)やって2勝できると思っていたが…」と険しい口調。「次また、しっかり準備してやるしかないです。厳しい試合が続くことは覚悟していたので」と言葉少なかった。
Text 福永美佐子
Photo エムアイプランニング