【X1 Super】ホーム習志野で大量62得点、オービックが圧勝
2019年09月23日(月) 09:20日本一奪還を目指すオービックシーガルズが地元、習志野の第一カッターフィールドで東京ガスクリエイターズに圧勝した。東京ガスのラン攻撃獲得をマイナス31ヤードに抑え込み、3つのファンブルリカバーをすべてタッチダウンに結び付けるなど、オービックが守備からのチャンスを効率よく得点し、62―7で東京ガスを下し3勝目を挙げた。
先制したのはオービック。第1クォーター2分24秒、東京ガス最初の攻撃がパントになり、PR池井勇輝(#7)が満員のメインスタンド前をエンドゾーンまで65ヤード。一気に走り抜けた。
続くオービックK多田羅翔吾(#98)の好キックオフで、東京ガスの攻撃はゴール前3ヤードの厳しいポジションからとなる。
その最初のプレーでRBホワイト・アンドレ(#27)がボールをファンブルし、オービックDB島津慶丞(#24)がリカバー。1プレーでオービックに攻撃権が移った。
このチャンスに今季初出場のQBスカイラー・ハワード(#3)が、1プレーでWR水野太郎(#81)への7ヤードタッチダウンパスを決めた。オービックが試合開始から僅か2分半で14-0とリードし、勢いづく。
「格上の選手と対戦するのが初めてで、情けないがいきなり委縮してしまった」と、東京ガスの板井征人ヘッドコーチ。
続くシリーズで、3rdダウン12から東京ガスのQBウーズィー・イカイカ(#6)がオービックDL仲里広章(#33)にサックされ、さらに9ヤードロス。
オービックの48ヤードフィールドゴールトライが失敗に終わったあとの攻撃シリーズでも、ゴール前30ヤードからの4thダウン3、ギャンブルで、QBウーズィーが再びDL仲里のQBサックを受けた。
オービックから移籍の東京ガスQBウーズィーは、古巣相手の一戦で注目されたが、オービックのディフェンスに終始苦しめられた。
第2クォーターに入ってQBスカイラーの29ヤードタッチダウンラン(トライフォーポイント・キック失敗)と、DBブロンソン・ビーティー(#21)のファンブルリカバータッチダウンで、オービックが27-0と、さらにリードを広げ前半を終了した。
後半開始のキックオフで、東京ガスがいきなりオンサイドキックを仕掛けてきたが、オービックのキッキングチームは落ち着いて対応。森章光(#89)が抑えて敵陣41ヤードと好ポジションから攻撃が始まる。
オービックは後半もまた、1プレー目の開始僅か13秒でタッチダウンを決める。QBスカイラーからハンドオフを受けたRB地村知樹(#30)が中央突破し、そのままエンドゾーンまで抜ける。主将のビッグプレーに地元のオービックファンは大歓声を贈った。
その後、オービックはQBにベテラン菅原俊(#6)が入り、DB砂川敬三郎(#1)のファンブルリカバーで得たチャンスに、QB菅原がWRホールデン・ハフ(#85)への20ヤードタッチダウンパスを決め、41-0とする。
QB菅原は次のシリーズも快調にドライブ。パスとRB成瀬圭太(#44)のランを交互に使い、最後はWR河本航太郎(#80)への4ヤードタッチダウンパスをヒットさせた。
0-48と大差をつけられた東京ガスは、最終の第4クォーターに一矢報いようと、アグレッシブになる。
オービックQB菅原がタックルを受けながら強引に放ったパスを、DL池田宇宙(#1)がインターセプト。52ヤードリターンしてゴール前3ヤードに迫った。
このチャンスにQBウーズィーが、WR岩越大地(#9)にタッチダウンパスを決め、東京ガスは完封を逃れた。
オービックはその後も、RB成瀬の9ヤードタッチダウンランやDB須田克志(#39)のインターセプトリターンタッチダウンを加えて大量62得点。東京ガスを撃破して3勝目を挙げた。
「年に一度、選手も楽しみにしている地元習志野のファンの皆さんの前で、いい試合ができてよかった」と、古庄直樹ヘッドコーチ。オービックは、地元千葉の台風15号の被災者支援のために義援金募集活動を行い、この日も試合会場で51,943円が集まった。
チームの日本一奪回で地元の活性化を目指すオービック。次はノジマ相模原ライズ戦だ。「ライズは結果こそ出てないが、ウチに負けたら(セミファイナル進出の)チャンスがなくなるので、プレーオフのつもりでくるはず。こちらも一段とチーム力を上げて臨みたい。ライズのQBジミー・ロックレイに気持ちよくプレーをさせてはいけない」と、古庄ヘッドコーチは一層気を引き締めた。
1勝2敗となった東京ガスの板井ヘッドコーチは「次のパナソニック戦も、その次も強い相手との対戦が続くが、いい経験をして力を積み上げていきたい。強い相手でも実力を出し切れるように」と、冷静に現状を見つめ立て直しを図る。
Text 福永美佐子
Photo エムアイプランニング