【X1 Super】着実な得点で完勝、エレコム神戸が序盤の山場を乗り越える
2019年09月24日(火) 07:302019秋季リーグ戦X1 Super第3節。台風17号通過の23日、大阪府吹田市の万博記念競技場で、これまで1勝1敗と上位を目指すためにこれ以上負けられないエレコム神戸ファイニーズと、開幕2連敗と連敗阻止を狙うオール三菱ライオンズが対戦した。
試合開始前は強風と時折激しい雨が降っていたが、試合開始時には雨も止み、日が射す天候となった。
試合は、3つのインターセプトと全Qに得点を重ねたエレコム神戸が、37-6でオール三菱を圧倒した。これでエレコム神戸は2勝1敗、オール三菱は0勝3敗となった。
先取点をあげたのはエレコム神戸。
1stシリーズの攻撃を自陣30ヤードから開始。QBコーディー・ソコール(#19)から、キャプテンWR南本剛志(#80)へ縦パスが決まりダウン更新、敵陣36ヤードまで進攻する。RB川淵将紀(#22)の中央突破とスクリーンパスでさらにダウンを更新。QBコーディーがキープして、残る11ヤードを走りきりタッチダウンを奪う。
オール三菱は反撃にでるが、フォルススタートやホールディングの反則で敵陣に入ることが出来ない。
かたやエレコム神戸は順調に攻撃を進め、敵陣26ヤードまで攻め込むが、パスが決まらずフィールドゴールを選択。しかし43ヤードのトライは決まらず、第1クォーターが終了する。
第2クォーター開始21秒。オール三菱QB斉藤圭(#9)が放ったパスを、エレコム神戸のDB木村俊基(#20)がインターセプト。敵陣30ヤードから攻撃を始める。
ラン、パスでオール三菱の守備陣を崩そうとするがゲインできず。4thダウンギャンブルからQBコーディーが新人WRアルフォンソ・オヌワー(#21)にパスを決めてダウン更新。さらにWR高尾祐樹(#87)へのパスでゴール前9ヤード。ここでWR南本が右サイドで、タックルを受けながらもタッチダウンパスをキャッチ。14-0とリードを広げる。
エレコム神戸は、オール三菱の攻撃をスリーアンドアウトに抑え、自陣16ヤードから攻撃。QBコーディーのランを有効に使い、ダウンを連続更新していく。前半残り43秒、K山崎丈路(#12)が34ヤードのフィールドゴールを決めて17-0。
さらにDB木村が、この試合2本目となるインターセプトを決め、敵陣27ヤードと絶好のポジションからの攻撃権を獲得。再びK山崎が31ヤードフィールドゴールを蹴りこんで、20-0と、オール三菱を引き離す。
後半に入り、第3クォーター開始のキックオフで、オール三菱はオンサイドキックの奇襲を選択するも、10ヤードを越えることが出来ずあえなく失敗。逆にエレコム神戸は、この敵陣45ヤードからの得点チャンスを活かす。
相手の反則などでダウンを更新すると、QBコーディーからのパスを左サイドでキャッチしたWRアルフォンソが、タックラーを振りほどいてエンドゾーンに駆け込みタッチダウン。27-0とする。
その後は、お互いにパントを蹴り合う展開となったが、エレコム神戸がQBコーディーのロングランで一気に敵陣21ヤードに攻め込む。
第3クォーター残り1分32秒。QBコーディーからWRアルフォンソへのホットラインがまたも爆発。左エンドゾーンに進入したWRアルフォンソが、21ヤードタッチダウンパスをキャッチ。34-0とした。
その後、オール三菱はハードタックルを受けたQB斉藤に代えて、QB谷口翔真(#15)を投入。自陣27ヤードからの攻撃を手堅く敵陣3ヤードまで4連続ダウン更新。最後はRB鈴木康裕(#33)が中央突破してタッチダウン。2ポイントコンバージョンのパスは失敗したものの、6-37と完封負けを逃れた。
オール三菱は、その直後のキックオフで再びオンサイドキックを狙い成功させたが、エレコム神戸のLB香川創(#5)がインターセプトで攻撃権を奪い返す。
試合残り時間24秒にも、オール三菱はゴール前インチまで進攻。4thダウンギャンブルで追加点を狙ったがファンブルしてしまい、エンドゾーンに転がるボールをエレコム神戸が抑えて試合終了となった。
エレコム神戸の米倉輝監督は「チームとしてベスト4進出を目指す生き残りの試合だった。結果は勝利で良かったが、全てのプレーに気迫が現れていたかと言うと、もうひとつ。次はIBMで、富士通、パナソニック、ノジマ相模原と、昨年の上位チームとの連戦。未知のエリアだが、強豪と戦えて幸せなチームだといえる。選手、コーチが全力でぶつかって楽しみたい。若いチームなので2週間で成長できる可能性がある。IBMには昨年連敗したこともあり、期するところがある」と、強豪を突破して上位進出を狙う。
一方、3連敗となったオール三菱の林顕ヘッドコーチは「得るものは少なかった試合。やりたいことが出来ずじまいだった。これは選手全員も感じているはず。インターセプトが多くなったのは、スコアリングコントロールのためのキャッチアップオフェンスだから仕方がない。今日は雨と強風でパスもパントも飛ばなかった。逆にエレコム神戸のキッカーは、いいフィールドポジションを確保していた。これがボディーブローのように効いた。うちの力不足。これからも一戦必勝で挑む」と、新たな決意をした。
Text 福武金二
Photo エムアイプランニング