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【X1 Super】激しいシーソーゲームを制し、パナソニックがIBMを下す

2019年09月24日(火) 13:53

ここまでともにノジマ相模原ライズに勝ち、富士通フロンティアーズに大量失点で敗れ、1勝1敗で第3節を迎えたパナソニックインパルスとIBMビッグブルー。JXBセミファイナル進出を狙うためには絶対負けられない試合だ。

まずはパナソニックの攻撃。自陣25ヤードからQBロウレンス・アンソニー(#18)がWR木戸崇斗(#88)へのパスを決め、敵陣に進入すると、RBミッチェル・ビクター・ジャモー(#5)のラン、QBロウレンスから再びWR木戸へのパスで前進。
QBロウレンスからRBミッチェルへのスクリーンパスが決まりサイドライン際をスピードに乗って走りゴール前3ヤード。ここからQB山口知輝(#10)のキープランで前進すると、RBミッチェルが1ヤードを飛び込んでタッチダウン。パナソニックが先制した。

一方のIBM。直後の自陣20ヤードからの攻撃で、QBクラフト・ケビン(#3)がRB伊藤隆貴(#28)へスクリーンパスを決め、味方のブロックをうまく活かし一気にゴール前13ヤード。
ここからRB山中大輔(#47)のダイブでゴールまで3ヤードとすると、RB伊藤が中央に走りこみタッチダウン、同点に追いついた。

直後のパナソニック。自陣25ヤードからの攻撃。QBロウレンスがRB藤本拓弥(#26)へのスクリーンパスを決め、敵陣40ヤードに進入。ここでRBミッチェルがボールを持つと、中央から右オープンをスピードに乗り走り抜けそのままタッチダウン。14-7と再びリードを奪った。

RBミッチェル・ビクター・ジャモー(左・#5)
パナソニックRBミッチェル・ビクター・ジャモー(左・#5)が走り込みタッチダウンを決める

 

対するIBMは17ヤードから攻撃開始。QBクラフトからWR近江克仁(#84)へのパスでファーストダウンを奪うと、再び近江へのパスが決まりさらに前進。
QBクラフトはTEスタントン・ジョン(#40)へのパスも決め敵陣に侵入すると、WR近江、白根滉(#82)へのパスでエンドゾーンまで3ヤードに迫る。ここでQBクラフトからTEスタントンへのパスが決まりタッチダウン。再び同点に追いついた。

直後のパナソニックは、ラン、パスとも不発に終わり、この試合初めてのパント。
対するIBMは、自陣40ヤードからRB山中のランで敵陣33ヤードまで前進すると、RB伊藤のラン、QBクラフトからWR竹村大和(#15)へのパスも決まりゴール前15ヤードとした。ここからのタッチダウンは奪えなかったが、K佐藤敏基(#11)が34ヤードのフィールドゴールを蹴りこみ、17-14とIBMが逆転に成功した。

しかし、直後のキックオフでIBMは2度続けてアウトオブバウンズの反則で罰退。さらに3度目のキックオフでは、オフサイドの反則を犯してしまい大きく下がってのキックオフとなった。
4度目のキックオフをキャッチしたパナソニックのKRミッチェルが20ヤードをリターンし、パナソニックが自陣42ヤードからの攻撃権を得ると、QBロウレンスがWRワイズ・ダニエル(#12)へパスを決める。パスを受けたワイズが、3人のタックルを振りほどきスピードに乗ってそのまま独走。エンドゾーンまで走り込み21-17と再逆転した。

パナソニックは次の自陣3ヤードからの攻撃でも、RBミッチェルの2度のランでハーフライン近くまで陣地を挽回すると、QBロウレンスがWR頓花達也(#15)へのパスを決め、敵陣38ヤードまで前進。さらに、もう一度WR頓花へのパスが決まり、相手反則もあってゴール前8ヤードまで攻め込んだ。
しかしここで、3rdダウンからQBロウレンスの投じたパスを、IBMのDB神津大地(#13)が相手WRの前に入り込みインターセプト。そのまま55ヤードと大きくリターンした。

RB白神有貴(左から2人目・#44)
同点の2点コンバージョンを決めるIBMのQBクラフト・ケビン(#3)

 

ビッグプレーで失点を防いだIBMは、敵陣40ヤードから攻撃を開始。RB伊藤のランで大きく前進すると、QBクラフトからRB伊藤へのパスも決まりゴール前11ヤードとした。ここからK佐藤が27ヤードのフィールドゴールを成功させ、IBMが20-21と1点差に迫る。

しかし、直後のキックオフリターンでパナソニックKRミッチェルが61ヤードをリターンし、敵陣34ヤードから攻撃を開始。
QBロウレンスからWR木戸、頓花へのパスをテンポよく決め、ゴール前7ヤードとすると、WR頓花へのタッチダウンパスを決め、28-20とパナソニックがリードを広げて前半を終えた。

後半の立ち上がり。両チームとも決め手に欠く内容が続く中、パナソニックの攻撃でQBロウレンスがパスの構えを見せたところに、IBMのDLブルックス・ジェームズ(#34)が激しくQBサック。ファンブルしたボールをDL佐久間広樹(#93)がリカバーし、IBMが敵陣34ヤードからの攻撃権を奪い取った。
このチャンスにQBクラフトがWR近江へタッチダウンパスを決めると、トライフォーポイントもプレーを選択。QBクラフトがTEスタントンへパスを決め、とうとう28-28の同点に追いついた。

突き放したいパナソニックは、直後の自陣25ヤードからの攻撃で、RBミッチェルのラン、QBロウレンスからWRワイズ、小山康史(#89)へのパスなどで決め敵陣に入ると、QBロウレンスからWR木下統之(#22)へのパスも決まり、ゴール前3ヤードとした。
ここからQB山口のキープランで残り1ヤード、RB岩田駿一(#41)が中央を走りタッチダウン。パナソニックが35-28と勝ち越しに成功する。

DB小池直崇(左・#32)
パナソニックDB小池直崇(左・#32)がインターセプトで相手の好機を阻止する

 

追いつきたいIBMは、自陣25ヤードからパスを中心に前進を重ね、ゴール前1ヤードまで攻め込む。ここでタッチダウンを狙ったQBクラフトのパスを、パナソニックDB小池直崇(#32)がエンドゾーン内でインターセプト。「ウチにとってはかなりのラッキーだった」と、パナソニックの荒木延祥監督が振り返ったターニングポイントとなった。

パナソニックは、第4クォーター9分4秒にも、「どこでやるか」(荒木監督)と準備していたリバースプレーで、WRワイズが61ヤードをスピードに乗って走りタッチダウン、42-28とし勝利を確定させた。

パナソニックの荒木監督は「今年のチームは始まったところで、どこまでの実力があって、どこまでプレーしきれるのか、というのが、まだ把握できていない。点を取らないと勝てないことはわかっていたので、取られたら取って、取られたら取ってとオフェンスがよく頑張ったのが勝因だと思う」と、試合を振り返る。
「富士通戦の後半からチームが一皮むけた気がする。もう一度富士通とやりたい」と、一戦ごとに成長を続けるチームに手ごたえを感じているようだ。

IBMのクラフト・ケビンヘッドコーチは「パナソニックはすごく強いチームだが、競って戦うことができたと思う。全体を通してはいいゲームができた。リーグ戦は厳しい戦いが続いてきたが、毎週うまくなることにフォーカスしている」と、敗戦の中にも光明を見出す。
次節のエレコム神戸については「今シーズンはハードな戦いが続いたので、まだエレコム神戸のことはわからないが、昨年良いチームで強かったことも分かっている。これから考えていきたい」と、冷静に話していた。

Text 江田政亮
Photo  エムアイプランニング

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