RBTクオーターファイナルで殊勲の56ヤードFGを決めたIBMの福岡、「距離はあまり意識しなかった」
2023年12月05日(火) 11:37
IBM BIG BLUEのキッカー(K)福岡勇斗は、ノジマ相模原ライズとのライスボウルトーナメント(RBT)クオーターファイナルで、右脚一本でビッグな仕事をやってのけた。
この日のIBMは、序盤からノジマ相模原に主導権を奪われる苦しい展開だった。しかし、第4クオーター3分48秒にようやく試合を振り出しに戻す。そして試合残り1分4秒、自陣26ヤードからの勝ち越しを狙ったファイナルドライブは、何とか敵陣38ヤードまでボールを運ぶ。
試合時間は残り4秒。フィールドゴールを狙うには、56ヤードの距離は長いようにも思える。しかしIBMは、K福岡の右脚に賭けた。
「練習から状態は悪くなかった。自分がやるべきことをやるという意識で集中力を高めた」と話す福岡は、「多少はありました」というプレッシャーの中、右脚を一閃。決戦の舞台の横浜スタジアムのバックスクリーンに向かって蹴り出されたボールは、スタジアムに詰めかけたIBMファンが固唾を飲んで見守る中、綺麗な弧を描きポストを通過した。
ボールがポストを通過する前に成功を確信して右手を高々と突き上げた殊勲のヒーローは、「距離はあまり意識しなかったけど、あそこまでチームが持っていってくれたので最後は決めるだけかと思いました」とコメント。リーグ史上の中でも屈指の劇的な幕切れとなったプレーを冷静に振り返った。
IBMのケビン・クラフトヘッドコーチは、普段の試合後のインタビューでは冷静な口調だが、この日ばかりはドラマチックな勝利に「信じられない試合。多くの人に生で見てほしい試合だった」と興奮気味に振り返るほどだった。
RBTセミファイナルに駒を進めたIBMの次戦は、パナソニックインパルス戦。この先は一つ一つのプレーが勝敗につながり、キックの重要性がより増してくる。福岡もその辺は熟知していて「自分はキッキングを引っ張っていけるようにやっていければと思います」と腕をいぶす。再び接戦になった時、福岡の右脚が大きな注目を集めそうだ。