【X1 Area】アズワンが逆転で名古屋に勝利 5位でリーグ戦終了
2023年11月26日(日) 20:06
X1 Area節7節第2日は26日、小春日和の大阪市鶴見区の鶴見緑地球技場で、これまで2勝4敗のアズワンブラックイーグルスと同3勝3敗の名古屋サイクロンズが対戦した。過去4年間での対戦成績は、いずれも接戦で2勝2敗の互角。今回も熱戦が期待されたこの試合は、後半にタッチダウンを奪ったアズワンがそのまま逃げ切り10-3で勝利をもぎ取った。アズワンはリーグ戦成績を3勝4敗、名古屋も3勝4敗でともに勝ち点9となったが、この試合の対戦結果により最終順位はアズワン5位、名古屋6位となった。
「ディフェンスの勝利でした」と試合後のインタビューでこう語ったアズワンの加納友輔ヘッドコーチ(HC)。この言葉の通り守備は、名古屋のパスプレー成功率を約57.6%、165ヤード(1回平均11ヤード)を許したものの、3本のインターセプトで攻撃を断ち切り、タッチダウンを許さなかった。またランプレーでは18回でわずか30ヤード、1回平均はわずか1.7ヤードに押さえ込む鉄壁守備を見せた。
先制点を奪ったのは名古屋だった。第1クオーター、自陣24ヤードから攻撃ファーストシリーズをワイドレシーバー(WR)高木優太朗への42ヤードのロングパスで敵陣に入り、ランニングバック(RB)畑中星哉やクオーターバック(QB)是澤太朗のランで敵陣13ヤードに迫るが、攻めきれずにキッカー(K)松久拓斗が31ヤードフィールドゴールを決めて3-0。
その後、5分48秒にディフェンスバック(DB)岩島宏大がアズワンQB渡邊貴信の放ったパスをインターセプトして攻守交代。次のプレーでQB是澤からの42ヤードパスをWR藤田陸がキャッチ。一気にゴール前7ヤードへ。しかしながらアズワン強力守備がエンドゾーンを割らせない。反則で罰退させられた名古屋は3分47秒にフィールドゴールを選択。しかしながらキックされたボールはゴールをはずれ、追加点を奪うことが出来なかった。
対するアズワンはランプレーとパスプレーを効果的に繰り出してエンドゾーンを目指す。そして前半残り1分11秒、K森下峻が45ヤードフィールドゴールを蹴り込み3-3の同点に持ち込んで前半終了。
後半に入り、アズワンは名古屋の攻撃をパントに押さえ、敵陣45ヤードからオフェンスシリーズを開始。新加入のRB鶴田遼が23ヤードランでゴール前5ヤードに持ち込む。ランプレーがロスとなったものの、8分7秒にRB田中萌が中央を突いてカットを切りながら突進して7ヤードを走り切りタッチダウン。10-3とリードした。
その後、両チームは敵陣に入りこむものの攻め手を欠きパント、インターセプトなどで追加得点を奪えないままの展開。追う名古屋は試合残り時間1分12秒、自陣48ヤードから攻撃を開始。相手のパスインターフェアで敵陣37ヤードまで進む。そして同点、逆転を狙ってのパスオフェンスを展開したが、アズワンの手堅い守備にタッチダウンパスを阻まれ、QBサックを受けるなど得点を上げることは出来なかった。
アズワンの加納HCは「警視庁イーグルスに完勝して勢いのある名古屋だったし、これまで接戦を繰り返している相手だけに勝ちたかった。試合は流れを掴んだほうが勝つ、と思っていた。今日はディフェンスがしんどいフィールドポジションでの展開だったが、3点に抑えてくれたことが大きい。突出した選手はいないが、11人がそれぞれの役割を果たしてくれた。今季は苦しい展開の中で選手は笛が鳴るまで戦ってくれた。伸びしろのあるチームだけに、ヘッドコーチの自分がもっともっとレベルアップして来シーズンに向かいたい」と話す。
一方、敗れて上位進出が出来なかった名古屋の小林真樹HCは「悔しい6位です」と言った後、「前試合との間隔が1週間しかなかったが、日程が発表された6月からこの日に備えて準備してきた。スカウティング通り、ゲームプラン通りだったが、オフェンスが1ヤード、2ヤードを取りきれなかったし、警視庁戦でうまくいったプレーが出なかった。逆にディフェンスはロースコアに持ち込んで、よくやってくれた。ただし昨年は2勝で終わったリーグ戦。今季は3勝。本当は今日勝って4勝にしたかったけど。今日は1タッチダウンの重さを痛感。来季はX1 Superを目指したい。そしてチームのミッションである東海地区のアメリカンフットボールの普及発展にさらに寄与したい」と来シーズンに向けての抱負を語った。