【X1 Super-X1 Area入替戦の見どころ】鹿と獅子が激突 1年でX1 Super返り咲きを狙うオール三菱に対し、ディアーズが“先輩”の意地を見せるか
2023年12月07日(木) 18:41
2023年のX1 SuperとX1 Areaの入替戦は9日、X1 Super Division Bで6位だった胎内ディアーズとX1 Area総合1位のオール三菱ライオンズが富士通スタジアム川崎で対戦する。X1 Super昇格2年目のディアーズに対して、オール三菱はX1 Area降格1年目。対極的なチームの一戦は、勝った方がX1 Super、負ければX1 Areaで来季を戦うことになる。
ディアーズは、リーグ戦では引き分けによる勝ち点1に終わったが、第3節の富士通フロンティアーズ戦を除けば接戦ばかりで上位チームとも差がないことを証明した。特に第4節のIBM BIG BLUE戦では、ライズボウルトーナメント4強のチームに対して、前半をリードして折り返したほどだ。その他にも中盤までリードをしながら終盤にひっくり返される試合が目立ったので、入替戦では最後まで集中力を保って戦いたい。
対するオール三菱は、クオーターバック(QB)ジョン・ギブスJr.の圧倒的なパフォーマンスでX1 Areaを1位通過した。1年でX1 Superに返り咲くためには、ギブスJr.がマークされた時に主将の中野哲也らRB陣の奮闘がマストになる。
ディアーズ攻撃のカギを握るのは、ランニングバック(RB)川村龍ノ介だ。法政大出身のランナーは、X1 Super 3位のラッシングヤード(339)をマークして、ディアーズの地上戦をけん引した。試合終盤にはこの川村を軸にボールをコントロールしたい。
一方、オール三菱のQBギブスJr.は、ランパス共に獲得ヤードでX1 Area 2位と万能ぶりを発揮。特にランでは、開幕から2節連続で100ヤード以上走破した。3節以降は健脚が鳴りを潜めていたが、大一番では期待がかかる。ギブスと共にラン攻撃をけん引するのが、ギブスJr.に次ぐX1 Area 3位の268ヤードをマークした中野哲。オール三菱は、ギブスのパスを軸に攻め立て、ギブスへのマークが厳しくなってきたらギブス、中野哲のランを展開したいところだ。
守備は、X1 Superでも互角の戦いを見せてきたディアーズに分がありそうだ。リーグ戦で3インターセプトのマイケル・ホーキンス、2インターセプトの杉本紘一のディフェンスバック(DB)コンビが、ギブスのパスに目を光らせる。一方のオール三菱も、リーグ戦最終節で完封勝ちと波に乗る。X1 Areaでインターセプト王に輝いたDB松田一将と3インターセプトのDB荒尾涼汰が最後の砦として立ちはだかる。
両チームは昨秋のリーグ戦第3節で顔を合わせ、息詰まる熱戦の中ディアーズがサヨナラフィールドゴールで劇的勝利を飾った。当時はともにスペシャルチームが活躍し、パントリターンタッチダウン、キックオフリターンタッチダウンのビッグプレーが飛び出した。決勝フィールドゴールを決めたディアーズの青木大介は、3回のフィールドゴールトライをすべて成功させた。接戦となった時には、スペシャルチームの力が試合の行方を左右するだけに、両チームともに注目だ。