【X1 Super-X1 Area入替戦の見どころ】電通対富士フイルムの一戦は司令塔対決に注目 試合のカギは先制点
2023年12月07日(木) 16:06
2023年のX1 SuperとX1 Areaの入替戦は9日、X1 Super Division Aで6位だった電通キャタピラーズとX1 Area総合2位だった富士フイルム海老名Minerva AFCが富士通スタジアム川崎で対戦する。勝てばX1 Super、負ければX1 Areaのサバイバルマッチは、両チームの司令塔に注目する。
2年連続の入替戦出場となった電通だが、昇格を狙った昨シーズンとは違い今季は残留を目指す。昇格1年目だった今季は秋季リーグ戦こそX1 Superの高い壁に跳ね返され未勝利に終わったが、順位決定戦ではotonari福岡SUNSとの撃ち合いを制してX1 Superでも戦えることを証明した。攻撃の要はクオーターバック(QB)アーロン・エリスだ。順位決定戦を含めた5試合でタッチダウンパスこそ6個と少ないが、インターセプトが2つと安定感が光る。頼りになるワイドレシーバー(WR)ラボン・ジョンソンはリーグ戦で4位のレシービングヤードをマーク。QBエリスが投じた6タッチダウンパスのうち、4つをキャッチした。身長191センチの長身を武器に、ゴール前でも力を発揮しそうだ。
守備では、リーグ戦で4サックを記録したディフェンスライン(DL)藤本優臣を中心に富士フイルム海老名自慢のパスオフェンスに対抗する。レギュラーシーズンではゼロだったチームのインターセプトは、順位決定戦では3つを記録した。藤本、寺岡芳樹らが前線からプレッシャーをかけ、2列目以降ではラインバッカー(LB)畑壮吉、ディフェンスバック(DB)井上凌輔らハードタックラーがしっかりと仕留めたい。
対する富士フイルムは、朝倉孝雄ヘッドコーチ就任2年目で入替戦に駒を進め、ファンダメンタルの強化をテーマに強化を図ってきた指揮官の考えが浸透してきた。オフェンスは開幕から3試合で1試合平均8.3得点ともたついたが、第4節以降は23.75得点と劇的に向上した。攻撃陣をけん引するのは、QB鈴木貴史だ。法政大学出身の副将は、X1 Areaではパス獲得ヤードが唯一1,000ヤードを突破する1,320ヤードと投げまくり、タッチダウンパスも11個と量産した。ターゲットは、身長188センチのWR小山昭瑛と快足WR桑原司が頼りになる存在だ。
ディフェンス陣は、前線に窪田弦太郎、中園祐輔、山崎奨悟と体重100キロ超の大型ラインメンを揃え、2列目もタックルリーダーの安東竜志、主将の小原清之朗とタレント豊富だ。インターセプト数は、益本有人と茂木雅人の3個を筆頭に計15個を数え、ビッグプレー能力を秘めている。身長182センチの牧田隼、身長190センチの小松泰登の長身プレーヤーが、電通のWRジョンソンをきっちりカバーしたい。
昨秋のX1 Area開幕節で対戦した両チームは、電通がサヨナラフィールドゴールで劇的勝利を飾り、その勢いのままX1 Superまで登りつめた。その試合で富士フイルムは、一度もリードを奪えなかっただけに、まずは先手を奪って試合を優位に進めていきたい。