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【ライスボウル見どころ】3連覇狙う富士通と8年ぶり5度目の日本一目指すパナソニック 3年連続同一カードの頂上決戦は日本人QB対決に注目

2023年12月28日(木) 14:00

3連覇を狙う富士通フロンティアーズと8年ぶり5度目の日本一を目指すパナソニック インパルスが2024年1月3日、東京ドームでアメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第77回ライスボウルを戦う。Xリーグ王者を競う頂上決戦は、3年連続で同一カードとなった。

【ライスボウルで4度目の先発出場となる富士通フロンティアーズQB高木翼  ©X LEAGUE】

外国籍選手クオーターバック(QB)が全盛となった昨今のXリーグだが、最終決戦に勝ち残った両チームは、日本人QBでシーズンを戦い抜いてきた。富士通の高木翼は、3試合ぶりに先発したライスボウルトーナメントセミファイナルで、久々の実戦にも関わらず抜群の安定感を誇った。司令塔を守るオフェンスライン(OL)は、先発全員がAll-X Leagueに選出される豪華ラインアップだ。高木は、ライスボウルが自身4度目と経験豊富。大舞台でも緊張せずにエースワイドレシーバー(WR)松井理己やセミファイナルで大活躍したサマジー・グラントら多彩なターゲットにパスを投げ分けるだろう。

【セミファイナルで劇的なTDパスキャッチを披露した富士通WRサマジー・グラント  ©X LEAGUE】

対するパナソニックは、荒木優也と石内卓也の2人QB体制で挑む。パナソニックが日本人QBで戦うのは、高田鉄男を擁してライスボウル王者に輝いた2015年シーズン以来8季ぶり。パナソニック入社8年目の石内が背負う番号は、高田がつけていた「8」。石内はライスボウル初体験となるが、高田ばりの強肩を武器に強力オフェンス陣を荒木ととともにけん引したい。

【今季のパナソニック インパルスオフェンスを引っ張ってきたQB荒木優也(上段)と石内卓也(下段左)  ©X LEAGUE】

地上戦は、どちらも強力だ。富士通は、2年連続MVPに輝き、昨年に続くリーディングラッシャーとなったランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンが健在。ニクソンに加えて、三宅昂輝や香川将成といった若い力も台頭してきており、RB陣の層が厚いことが強みだ。剛のニクソン、柔の三宅と香川のようにバラエティに富んでおり、パナソニック守備陣にとって富士通のラン攻撃を止めることが勝利への至上命令となる。

【大きな成長を見せた富士通RB香川将成(中央)  ©X LEAGUE】

一方のパナソニックも、3年目のRB立川玄明が、身長177センチ、体重100キロのサイズを武器に重戦車のような走りでフィールドを切り裂く。リーディングラッシャーにはわずか6ヤード届かなかった立川だが、タッチダウン数はニクソンと同じ。ゴール前でパナソニックオフェンスの大きな武器となりそうだ。

【 パワフルなランでゲインを重ねるパナソニックRB立川玄明 ©X LEAGUE】

ディフェンスは、両チームのディフェンスバック(DB)に注目する。富士通、パナソニック共にDBが、All-X Leagueに2人ずつ選ばれた。富士通は、アルリワン・アディヤミと高口宏起、パナソニックは、ジョシュア・コックスとワイズマンモーゼス海人だ。富士通は、前述の2人の他に、林奎佑、渡辺裕也、北川太陽の身長180センチ以上のDBを揃えており、身長196センチの大型ワイドレシーバー(WR)ダックス・レイモンドとのマッチアップはダイナミックな争いとなりそうだ。

【富士通DB奥田凌大(中央奥)のタックルをアシストするオールXリーグDB高口宏起(右)  ©X LEAGUE】

パナソニックは、ニクソンのランをいかに止めるかが試合の命運を左右する。この“ストップ・ザ・ニクソン”の旗印となるのが、前線ではディフェンスライン(DL)梶原誠人とラインバッカー(LB)ジャボリー・ウィリアムス。仮に抜かれたとしても後方でコックスやワイズマンらが素早い寄せでロングゲインを防ぎたい。

【パナソニックLBジャボリー・ウィリアムス  ©X LEAGUE】

両チームが対戦した直近2年のライスボウルは、いずれの試合もパナソニックが先制して、終盤に富士通が逆転するパターン。最終的な点差は、いずれもワンポゼッション差とほぼ互角の戦いが繰り広げられた。先日に行われたライスボウル記者会見では、お互いの指揮官が勝つために「タッチダウン3本」あたりと展開を予想する。

【3年連続の対戦となる富士通の山本洋HC(上段)とパナソニックの荒木延祥監督  ©X LEAGUE】

2024年1月21日にアイビーリーグ選抜と戦うDream Japan Bowlの全日本選抜チームの第一次候補では、Xリーグ69名(外国籍選手含む)のうち、富士通とパナソニックから合わせて49名(富士通29名、パナソニック20名)が選出された。今シーズンのアメフト日本一を決するライスボウルは、まさに日本を代表するチーム同士の決戦といえる。今季は果たしてどんな結末を迎えるのか。激闘の火ぶたは、1月3日15時に東京ドームで切られる。