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富士通がライスボウル3連覇! パナソニックとの接戦制して8度目の日本一

2024年01月03日(水) 20:09

【 試合後にアメリカ大使杯を掲げる富士通フロンティアーズLB趙翔来主将(中央) ©X LEAGUE】

パナソニック インパルスと富士通フロンティアーズによるアメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第77回ライスボウルが1月3日、東京ドームで行われた。3年連続の同一カードとなった頂上決戦は、富士通が16対10で勝利してライスボウル3連覇を飾った。富士通は8度目の日本一の座に就いた。

前半キックスタートの富士通は、パナソニックのファーストドライブをスリーアンドアウトで止めると、自陣29ヤードからスタートした攻撃で、クオーターバック(QB)高木翼が異なるレシーバーに次々とパスを決めて敵陣内まで進入する。さらに相手の反則に乗じてゴール前5ヤードからは、今シーズンXリーグMVPに輝いたランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンが、華麗なステップでエンドゾーン内へボールを運び、富士通がパナソニックとの3度目のライスボウル決戦で初めて先制した。

【パスを投げる富士通QB高木翼(右)  ©X LEAGUE】

その後はこう着状態が続きスコアボードは動かなかったが、パナソニックは第2クオーター序盤にディフェンスバック(DB)ジョシュア・コックスのインターセプトが決まり自陣45ヤードで攻撃権を奪取。第1クオーターは鳴りを潜めていたRB立川玄明やミッチェルビクタージャモーのランを軸に敵陣奥深くまで歩を進めると、ゴール前1ヤードではRB立川が頭から突っ込みタッチダウン。パナソニックはトライのキックも決めて、試合を振り出しに戻した。

【第4Qに決勝TDパスキャッチをしたWR木村和喜(中央)  ©X LEAGUE】

追いつかれた富士通は前半終了2分前に自陣20ヤードからドライブを開始。QB高木が柴田源太やサマジー・グラントらWR陣へ巧みにパスを投げ分け、ゴール前11ヤードまで前進する。ここで司令塔の高木が果敢にタッチダウンパスを狙いにいくも、パナソニックの強力守備を前にエンドゾーンは遠くフィールドゴールによる加点に留まり、富士通が10対7で前半を折り返した。

【1TDランの活躍を見せたパナソニック インパルスRB立川玄明(左)  ©X LEAGUE】

3点を追うパナソニックは後半にランが機能し始め、立川やジャモーの重厚なランでゲインを続ける。タッチダウンを奪えないまでも、キッカー(K)佐伯眞太郎が36ヤードフィールドゴールをきっちりと沈めて、同点に追いついた。第3クオーターは両軍あわせてこの得点だけに終わり、勝負の行方は最終クオーターに委ねられた。

【ライスボウルMVPに輝いた富士通WRサマジー・グラント(中央)  ©X LEAGUE】

リードがなくなった富士通も、ニクソンのランを軸に攻め立てる。敵陣21ヤードまで攻め入ると、QB高木が右のWRグラントへピッチ。ボールを受けたグラントは、エンドゾーン右コーナーへ走り込んできたWR木村和喜へふわりとした柔らかいタッチのパスを投げると、これを木村が見事にキャッチして勝ち越しに成功した。しかし、トライのキックはブロックされ、富士通のリードは6点となった。

【パスキャッチをするパナソニックTEダックス・レイモンド(左)  ©X LEAGUE】

なおも富士通は、自陣ゴール前7ヤードまで攻められるも、パナソニックのフォースダウンギャンブルを防ぎ瀬戸際でピンチの芽を摘む。その後もお互いの意地がぶつかり合い、一進一退の攻防が繰り広げられる。

【108ヤードラッシュの富士通RBトラショーン・ニクソン(中央)  ©X LEAGUE】

そして迎えた試合残り1分58秒からのパナソニックのファイナルドライブ。富士通は自陣まで攻め込まれるが、パナソニックの最後の望みをかけたフォースダウンギャンブルを、ラインバッカー(LB)山岸明生が鋭い出足でプレッシャーをかけてがっちりストップ。タイムアウトが残っていないパナソニックを尻目に、最後はウイニングフォーメーションを組んで試合終了のホイッスルを聞いた。

なお、大会最優秀選手(MVP)には、レシーブで3回捕球52ヤードに加えて、決勝のタッチダウンパスを投じた富士通のWRグラントが選ばれた。