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苦手のエレコム神戸攻略に貢献 フィジカルを武器にするSEKISUIチャレンジャーズ新戦力RB遠藤集

2024年06月19日(水) 12:00

【エレコム神戸ファイニーズ戦の第2Qに5ヤードTDランを決めるSEKISUIチャレンジャーズRB遠藤集(中央) ©X LEAGUE】

過去2年間のSEKISUIチャレンジャーズは、エレコム神戸ファイニーズに圧倒され続けた。2年前は春の公式戦、秋のリーグ戦ともに最終クオーターに逆転されたて悔しい敗戦を味わった。昨秋は10-35と完敗している。

正重高志ヘッドコーチは「(6/8のグリーンボウル最終戦)は最後の最後まで気を緩めなかった。(リードしていても)これで勝てるとは全く思わなかった」と試合後に心中を明かした。続けて、「この試合ではオフェンスは4本のタッチダウン、ディフェンスは2つのターンオーバーが目標だった。パナソニックさんとの試合ではコーチの采配ミスなどがあって大量失点を喫したが、その後の練習で課題を全てではないが修正できた。これまでエレコムさんには負け続けて選手たちが自信を失くしていた。この勝利は秋のリーグ戦に向けて大きな自信につながる」と明るい表情を見せた。

この試合での勝利のポイントを質問すると「ランニングバック(RB)の遠藤集。この試合で彼がランプレーでゲインをして、きっちり時間を使いながらオフェンスを進めることを命題にしていた。特に後半は要所要所でしっかりセカンドエフォートしてくれていた。これがボディブローのように相手には効いたと思う。決して器用な選手ではないがフィジカルが強い。うちにはこれまでいなかったタイプのRB」とベタ褒めの答えが返ってきた。

【2023年3月にCFLコンバインに招へいされた遠藤(左)  ©X LEAGUE】

この試合で遠藤は、16回のボールキャリーで109ヤードを稼ぎ、2本のタッチダウンランを決めた。

「試合前は走れないんじゃないかと思ってたけど、オフェンスライン(OL)が走路を開けてくれたおかげで思い通り走ることができた」と、遠藤はまずOLに感謝を述べる。「僕はXリーグのスターになりたいんです。タックルされても倒れないようにフィジカル面と技術面を鍛え、エレコムさんに勝つために準備してきました」と胸を張る。

「実は僕、中村多聞コーチの『一番弟子』なんです。大学を卒業してIBM(BIG BLUE)、電通(キャタピラーズ)と3年間、中村多聞コーチにRBとはなんたるかなどをみっちり教えていただきました。だから中途半端なプレーをしたら多聞コーチにしばかれます」と笑う。

【TD後にポーズをとる遠藤  ©X LEAGUE】

中村多聞さん(現日本社会人アメリカンフットボール協会理事)はアサヒ飲料チャレンジャーズ在籍の時、巨漢RBとして相手を圧倒するランプレーで鳴らし、2000年度と2001年度に社会人選手権を連覇し、2000年度は日本一に輝いた。2000年には社会人選手権とライスボウルの両試合でMVPを獲得している。NFLヨーロッパでも活躍した名選手だ。遠藤自身も175センチ、91キロとフィジカルを武器にしている。

「僕の付けている『27』は多聞コーチが付けていた番号。多聞コーチほどの馬力はないけれど、自分なりのアジリティーやスタイルを確立して多聞コーチを超えるプレーヤーになる」とでっかい目標を掲げる。