ニュース

【第44回パールボウル】5連覇狙うオービックと14年ぶり優勝目指す富士通、注目は攻撃の新戦力

2024年06月10日(月) 18:00

富士通フロンティアーズとオービックシーガルズのパールボウルが16日に富士通スタジアム川崎で行われる。Xリーグで長年のライバル関係にある富士通とオービックがパールボウルで戦うのは10年ぶり5度目で対戦成績が2勝2敗の五分だ。

前人未踏のパールボウル5連覇を狙うオービックとライスボウル3連覇中の富士通。Xリーグでしのぎを削る強豪同士の一戦は、常に死力を尽くした激闘が演じられてきた。昨年に等々力陸上競技場で実施されたライスボウルトーナメントセミファイナルは、24対17で富士通が勝利。この時は、試合残り3分を切ったところで、ランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンが決勝のタッチダウンランを決めた。2021年のポストシーズンでも前半は両者譲らず、第3クオーターに富士通が勝ち越した後もお互いに得点を与えず、ワンポゼッション差のゲームだった。また、2020年のJAPAN X BOWLでも、オービックが13対7でロースコアゲームを制し、富士通のJAPAN X BOWL5連覇をストップしたことも記憶に新しい。このように、この2チームは常に好敵手の関係だった。

【昨季のライスボウルトーナメントセミファイナルで激闘を演じた富士通フロンティアーズ(黒ジャージ)とオービックシーガルズ  ©X LEAGUE】

実は富士通とオービックが富士通スタジアム川崎で顔を合わせるのは久しぶりで、2019年の秋季リーグ戦第7節まで遡る。その時は、終盤までオービックがリードするも、残り2分を切ったあたりで富士通がフィールドゴールで勝ち越し。試合終了間際にオービックがサヨナラフィールドゴールの機会を得たが、これを富士通がブロックして劇的な幕切れとなった。約5年ぶりにアメフトの聖地で相まみえる両チームの戦いは、見ごたえのある一戦となること間違いなしだ。

 

【二人のタックラーを引きずって走る富士通RB 三宅昂輝(左) ©X LEAGUE】

富士通は、エースのクオーターバック(QB)高木翼を温存しながらも、山本洋ヘッドコーチが「ポテンシャルは高木に匹敵する」と期待を寄せるQB鎌田陽大が攻撃陣を指揮。ルーキーの司令塔はパールボウルトーナメント2試合で2タッチダウンパスに対しインターセプトなしとまずまずの成績を残している。3試合目の出場となればさらにチームに戦術には慣れてきているはずなので、強力なオービック守備陣のラッシュにも慌てずにパスをデリバリーしたいところだ。地上戦では、持ち前のスピードに加えて力強さが備わってきたランニングバック(RB)三宅昂輝の走りに注目だ。富士通は、関西学院大学出身の若手2人を中心に、14年ぶり4度目のパールボウル制覇を狙う。

【今春3TDパスキャッチをマークしているオービックWR成田将吾  ©X LEAGUE】

一方のオービックは、QBタイラー・クルカがトーナメント1回戦からスタメン出場。来日2年目のパサーは、2試合で5タッチダウンパスと絶好調だ。そのうち、大野洋HCも期待するワイドレシーバー(WR)成田将吾へは3タッチダウンパスをヒットした。オービックの空中戦は、このホットラインから目が離せない。また、オービックの秘密兵器、オフェンスラインのデクスター・カーJr.にも注目したい。身長190センチ、体重138キロの22歳は、指揮官曰く「決勝ではおそらく出場する」そうだが、センターかガードかタックルなのかどのポジションで起用されるかはベールに包まれたままだ。パワフルな富士通ディフェンスにどこまで通用するか見ものだ。

なお、パールボウルに先立ち、10時30分からJr.パールボウルの胎内DEERS対PentaOceanパイレーツがキックオフ予定。秋シーズンに向けた大事な一戦だけに、こちらも熱の入った一戦となりそうだ。