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【第25回Jr.パールボウル】王座を懸け、胎内DEERSとPentaOceanパイレーツが激突

2024年06月10日(月) 17:50

【パスを投げる胎内DEERS QB時崎達弘  ©X LEAGUE】

第25回Jr.パールボウルの顔合わせは胎内DEERSとPentaOceanパイレーツとなった。春季公式戦におけるX1 Areaの東日本の王者がこの試合で決定する。

胎内は昨季、2年所属したX1 Superから無念の降格を経験した。今季から新しい指揮官に就任した久保崇ヘッドコーチは「1年でのX1 Super復帰」を目標に掲げ、その達成の足掛かりとしてJr.パールボウルの制覇を目指す。

5月11日(土)に本拠地・新潟県胎内市で春開幕を迎えた胎内は、攻守のかみ合った理想的な試合展開で勝ち進んできた。オフェンスで8本のタッチダウンを記録している一方で、ディフェンスは今春まだ相手にエンドゾーンへの侵入を許していない。

【インターセプトリターンTDを決めて喜びを爆発させる胎内DL宮崎陸(左)  ©X LEAGUE】

クオーターバック(QB)は大和田昌太郎、時﨑達弘、島津亨寿の3人が出場時間を分け合うスタイルだ。中でも時崎は準決勝の警視庁イーグルス戦で2回投げたパスがいずれもタッチダウンにつながる好調ぶりだ。

守備はパイレーツから移籍したディフェンスライン(DL)宮崎陸が新天地で実力を発揮している。持ち前のパスラッシュ力でQBにプレッシャーをかけるほか、警視庁戦ではインターセプトリターンタッチダウンも記録。Jr.パールボウルでは古巣との戦いに臨む。

対するパイレーツはこのオフに選手が多く移籍し、一時は練習に参加できる選手が20名未満だった時期もあった。しかし、川畑文人ヘッドコーチが「自分で何かを作り上げたい、成し遂げたいという強い心を持った選手が多くいる」と評価するように春季シーズンが深まるにつれてチーム力を上昇させてきた。

今季のオフェンスをけん引するのはQB松岡修平と松田隆佑だ。秋に向けてスターターの座を争う二人だが、ともに多くのレシーバーに投げ分けることができ、広角なパスオフェンスを展開する。いち早くレシーバーとのコンビネーションを確立したとみられるのは松田で、準決勝の電通キャタピラーズ電通戦では3人の異なるレシーバーにスコアリングパスを投げ分けた。

【PentaOceanパイレーツRB草野公平  ©X LEAGUE】

レシーバー陣では岸澤淳之介や石原勇志に多くボールが集まる傾向にある。1回戦のブルーサンダース戦ではまさかのマイナス40ヤードに抑えられたランニングアタックだったが、電通戦ではRB草野公平と上田貴弘の奮起で盛り返し、139ヤードをたたき出した。

【QBにプレッシャーをかけるパイレーツDL中村雄貴 (右)  ©X LEAGUE】

伝統的に守備の強いパイレーツだが、今春は選手の離脱の影響もあって再建途中だ。しかし、キャプテンのDL中村雄貴を中心に、ラインバッカー(LB)浅野樹、LB佐野昂志、DL坂本崇らがビッグプレーを決めるように成長しており、看板ディフェンス復活の兆しは見える。

胎内とパイレーツの公式戦での最後の対戦は2019年の秋季リーグ戦第1節にまでさかのぼる。この時は胎内(当時はDEERSフットボールクラブ)が52‐7で勝利している。それから5年を経ての対決はどちらの軍配が上がるか。秋季リーグ戦では同じX1 Area CENTRALディビジョンに所属する。富士通スタジアム川崎で秋を見据えた大事な一戦の火ぶたが切られる。