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【第44回パールボウル】オービックが激闘制して5連覇達成! 富士通をタイブレークの末に下す

2024年06月16日(日) 20:12

【タックルを外してレシーバーを探すオービックシーガルズQBタイラー・クルカ(左)  ©X LEAGUE】

X1 Superは16日、パールボウルトーナメント決勝が富士通スタジアム川崎で行われた。5連覇を狙うオービックシーガルズと、14年ぶりの優勝を目指す富士通フロンティアーズの一戦は、オービックがタイブレークの末に28対26で富士通を下し、5連覇を達成した。

パールボウル決勝で10年ぶり5度目の対戦となった一戦は、前半こそ静かな立ち上がりだったが、後半に入ると試合が大きく動き出した。フィールドゴールで3点を先制されたオービックは、第3クオーター3分59秒にクオーターバック(QB)タイラー・クルカが右サイドでディフェンスを振り切ってフリーになったワイドレシーバー(WR)西村有斗へ逆転のタッチダウンパスをヒットした。

【TDを決めて喜ぶる富士通フロンティアーズWR坂本アントニーマウネディ  ©X LEAGUE】

追う立場になった富士通は、続くドライブですぐさま主導権を握り返す。QB濱田真行が、フィールド中央を縦に駆け上がったWR坂本アントニーマウネディへロングパス。WR坂本はディフェンスと競り合いながらもエンドゾーンを背にする難しい体勢のアクロバティックキャッチを見せ、富士通が10対7と再びリードを握った。

【試合のMVPに選ばれたオービックWR渡邊ジャマール(右) ©X LEAGUE】

その後はお互いにフィールドゴールを外しスコアボードは動かなったが、オービックは第4クオーター中盤に、QBクルカとWR西村のホットラインが再び機能する。フィールド中央を駆け上がったWR西村が富士通ディフェンスを一瞬抜くと、QBクルカがその隙を見逃さずにタイミングばっちりのストライクパスを投じ、オービックが再び試合をひっくり返した。

2010年以来のパールボウル制覇に執念を燃やす富士通は、QB濱口が闘志ある走りで敵陣深くまでボールを運ぶと、最後は濱口が自らエンドゾーン内にボールを運ぶ逆転のタッチダウン。この試合5度目のリードチェンジとなった。

【富士通K納所幸司(右)  ©X LEAGUE】

試合時間残り1分23秒。3点ビハインドのオービックは、QBクルカがWR渡邊ジャマールらへ冷静にパスを投げ分け、レッドゾーン内に進入。すると、キッカー(K)山﨑丈路が38ヤードフィールドゴールをきっちりと沈めて、試合時間残り5秒の土壇場で試合を振り出しに戻した。

両軍の死闘は48分で決着がつかず、タイブレークに突入。交互にゴール前25ヤードから攻撃を開始し、点差がつくまで決着がつかないルールの下、1回目の攻撃はともにフィールドゴールに終わるが、2回目の攻撃で先行のオービックはWR渡邊ジャマールがまるでランニングバックのような力強い走りでタッチダウン。さらに2点コンバージョンも成功させて、富士通にプレッシャーをかける。続く富士通の攻撃もタッチダウンを決めたが、オービック守備陣が富士通の2点コンバージョンを阻止して熱戦に終止符。この瞬間フィールドにはオービックの歓喜の輪が広がった。

大会最優秀選手(MVP)には、10回捕球154ヤードに加え、決勝のタッチダウンランを決めたオービックのWR渡邊ジャマールが選ばれた。

【 コイントスを務めたNFLインディアナポリスコルツDEサムソン・エブカム選手(右から2番目) ©X LEAGUE】
なお、この日のコイントスはNFLのインディアナポリス・コルツのディフェンスエンド(DE)サムソン・エブカムが行った。さらにエブカムは、試合後の表彰式でMVP賞のプレゼンターも務めた。