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勝利に隠れた反省点 城ケ滝一朗HCがノジマ相模原の試合後に見る課題

2024年09月05日(木) 16:00

【ボールキャリアーをタックルするノジマ相模原ライズLB 浦野雄大 ©X LEAGUE】

「こういうことをやっていたら普通に勝てるわけない」

ノジマ相模原ライズは9月1日の開幕戦でOrientalBioシルバースターに勝利したものの、試合後の城ケ滝一朗ヘッドコーチの表情は、雨が降ったこの日の空模様のように冴えなかった。

指揮官が不満だったのは、17点リードで迎えた最終クオーターのドライブ。X 1 Superでは、得失点差が勝ち点で並んだ場合に順位に影響するため、最大20点のリードが目標となる。それにもかかわらず、ノジマ相模原は試合終盤にゴール前10ヤードまで迫りながらも、痛恨のファンブルを犯してしまい、攻撃権を失った。勝利こそ手にしたが、城ケ滝ヘッドコーチは、このミスを見逃すわけにはいかなかった。

「こういう試合だったら、『ライズは強いな』で終わってしまう」と指揮官は語った。「『あー強いな』ではないんですよ。他のチームやファンにもっと強さを見せつけなければならない」

【インターセプトを記録してチームメートに祝福されるノジマ相模原LBフィリップ・レッドワイン(中央)  ©X LEAGUE】

一方で、今季から導入した新しい守備システムについては、手ごたえを感じている様子だった。相手から4サックを奪い、失点もパントミスによるものだけだったことから、守備面では十分な成果を上げた。

「守備は機能していた。サックも取れたし、新しいシステムはしっかりと機能している」と満足げに語る指揮官。しかし、それでも「50点」という自己評価は揺るがない。攻撃面での最後のミスが、チーム全体の評価を下げていることは明白だった。

ノジマ相模原はここ2シーズン、ライスボウルトーナメントの準々決勝で敗退しており、あと一歩で強豪チームに食い込めない現状が続いている。ライスボウル3連覇中の富士通フロンティアーズのような常勝チームになるためには、何が足りないのか。その問いに答えるべく、富士通でも主将を務めた経験があり、勝ち方を知るキャプテンの宜本潤平が言葉を紡いだ。

【先制のTDレシーブをしたノジマ相模原WR宜本潤平主将  ©X LEAGUE】

「オフェンスもディフェンスも、もっとボールに集まることが大切です。特にディフェンスは、ボールへの執念がまだ足りていない。でも、これは次の練習からでも改善できること。オフェンスも、レシーバーがボールを確実にキャッチする。それが、富士通との差なんです。(富士通とは)タレントが全然違うとは思わない。だから、ミスを少なくして、ボールに対する執念を持てば、上位チームに勝てるはずです」。

宜本キャプテンの言葉には、今後の成長に対する期待と覚悟が感じられた。シーズンはまだ始まったばかり。彼らがどのように変わっていくかが、今後の試合に大きな影響を与えるだろう。