X1 Superは後半戦へ インターディビジョン対決で8強入り懸けた戦いが本格化【前編】
2024年10月09日(水) 18:00
X1 Superは今週末からいよいよシーズン後半戦を迎える。前3節とは違い、4節からはディビジョン外の対戦となり、プレーオフ「ライスボウルトーナメント(RBT)」の出場権を有する8強入りを懸けた戦いが本格化する。
3節を終わって全勝チームは早くも富士通フロンティアーズとパナソニック インパルスの2チームに絞られた。2ディビジョン制だった昨年の同時期では4チームが無敗を維持していたことを考えると、今季の混戦ぶりがうかがえる。その混戦模様を体現しているのがEASTディビジョンだ。
EASTではオービックシーガルズ、IBM BIG BLUE、東京ガスクリエイターズが2勝1敗の勝ち点6で並ぶ。シーズン序盤では第2節に東京ガスがIBMを東京ドームで破るアップセットがあり、そのIBMは第3節の「千葉ダービー」でオービックに土を付けた。オービックは開幕週に東京ガスに勝利している。この三つ巴が総合順位にも反映し、「4強」常連だったIBMが6位に甘んじ、東京ガスがそれに続いている。
東京ガスは今季の台風の目と言っていいだろう。3年ぶりにチームに復帰したクオーターバック(QB)ジェロッド・エバンスがパスとランで奮闘し、オフェンスの起爆剤となっている。ランニングバック(RB)星野凌太朗の存在も相手ディフェンスには脅威だ。
第3節終了時で総合4位につけているのが今季好調のSEKISUIチャレンジャーズ(2勝1敗)だ。昨年はRBTを逃して順位決定戦出場となったが、今年は攻守ともに好調を維持している。特にオフェンスはクオーターバック(QB)ギャレット・サフロンとワイドレシーバー(WR)ブギー・ナイトの間ですでに5つのタッチダウンパスを成功させている。2年目のナイトは第3節終了時点で30回のパスキャッチで347ヤード獲得、5タッチダウンパスとすべてリーグトップの成績を収めている。唯一の敗戦もパナソニックに1点差で惜敗したものだ。
ノジマ相模原ライズは、第3節の富士通戦で前半を13‐10でリードして折り返すなどチームの成長を感じさせる。最終的には31‐13と逆転されるが、従来のディフェンスの強さに加えてQBカート・パランデックから新加入WRテイ・カニンガムへのパスがオフェンスの武器として定着して得点力がアップした。第4節の東京ガス戦はRBT出場権を懸けて、見逃せない一戦となる。
こうした混戦模様の中でも1~2位の座をしっかりとキープしているのが富士通とパナソニックだ。ライスボウル3連覇中の富士通はやはり攻守に安定した強さを発揮する。QB高木翼、RBトラショーン・ニクソン、WRサマジー・グラントはそれぞれにビッグプレーメーカーであり、ラインバッカー(LB)徳茂宏樹、ディフェンスバック(DB)渡辺裕也らが固めるディフェンスは、今季まだ相手に2タッチダウンしか許していない。
今季のパナソニックはSEKISUIやエレコム神戸ファイニーズに試合途中でリードを許す展開はあったものの、順調に勝ち星を重ねている。1年目の高山直也HCも評価するように試合中でのアジャスト力が高いチームで、それも2021年からレギュラーシーズンゲームで負けていないチームの強さか。チームで記録したインターセプト6回はリーグ最多で、ターンオーバーも勝利に貢献している。
この2強に続くのがオービックだ。例年になくこの時期にすでに1敗を喫しているが、「ストップ富士通」の有力候補であることは間違いない。今季はWR渡邊ジャマールが好調だ。すでに5つのタッチダウンパスキャッチを記録しており、QBタイラー・クルカのトップターゲットの一人になっている。