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SEKISUIが3週連続の試合を3連勝で突破 意思疎通と事前準備がもたらした昇格後最多勝利数

2024年10月22日(火) 13:00

【IBM DBローガン・スチュワートのタックルを受けるSEKISUIチャレンジャーズWRブギー・ナイト(右)  ©X LEAGUE】

SEKISUIチャレンジャーズは第4節のIBM BIG BLUE戦に勝利して、台風による開幕戦延期のために異例の3週連続開催となった試合を3連勝で乗り切り、X1 Super昇格3年目で初となるシーズン3勝目をあげた。試合後に正重高志ヘッドコーチは「ディフェンスがよく踏ん張ってタッチダウンを取られずフィールドゴールに押さえてくれたことが一番大きい。そしてオフェンスもクオーターバック(QB)とワイドレシーバー(WR)のパスチームが、昨年までは競った試合で集中力が切れてポカをしていたが、今年はそれがないのも大きい。これは、練習やミーティングで細かいところまでしっかり詰めてやっている成果かなと思っている」と試合に至るまでの準備について評価した。

QBギャレット・サフロンは、パスを33回投げて23回成功させ190ヤードを稼いだ。そのターゲットとなったWRブギー・ナイトは9回のキャッチで81ヤード、阿部拓朗は5回で51ヤード(1タッチダウン)、亀山暉は7回で48ヤードを獲得した。中央のランがなかなか前進しない中、次々とテンポよく決まるパスはIBMディフェンスを翻弄。ボールの支配時間もIBMが15分18秒だったのに対し、SEKISUIは32分42秒と圧倒した。

【IBM QB政本悠紀をサックするSEKISUI DL野村幸利(背番号44)  ©X LEAGUE】

亀山は「ブギー、阿部に比べ、ここまでの試合はパスをとれていなかったので、今日はしっかり役割を果たすことができて良かった。試合前の分析でも、自分のゾーンの守備が手薄になるのが分かっていたので、プラン通りに戦えたと思う」と笑顔。今季、パスチームが好調な要因については「外国人QBの場合、言葉の壁があってコミュニケーションをしっかりとらないことがあったが、今年はQBとWRが納得できるまでとことん話し合い、意思疎通を図れていることが大きい」とここまでを振り返る。

また、阿部は「3週連続の試合で準備をする時間も少ない中、相手のビデオを見て、このプレーならいけるということを明確にして臨んだので全く心配はなかった。これからも、同じでしっかりできることを整理して試合に挑んでいきたい」とこちらも準備が万全であったことを話す。

【1TDパスキャッチを記録したWR阿部拓朗  ©X LEAGUE】

いよいよ高い壁である富士通戦を今週末に迎えるが、正重HCは「普通にやっても勝てないと思うが、だからと言ってトリッキーなプレーをたくさんするのではなく、今まで自分たちが身に付けた自信を持てているプレーで挑んだ方が、今後のためのよい材料がもらえるのではないか。真っ向勝負でぶつかっていきたい」と、今のチーム状態を知る意味でも大切な試合と位置づける。亀山も「準備力がオフェンスの強みなので、富士通戦でもしっかり準備して自分たちの力がどこまで通用するのかを試合を通して見てみたい」と話す。SEKISUIの躍進が続くのか。第5節、注目の対戦になりそうだ。