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富士通、IBMとの再戦に慢心なし 主将OL大久保は「今日の勝ちが2週間後の勝利を保証しない」

2024年11月19日(火) 19:30

【パスプロテクションでQBを守るOL大久保壮哉(中央)  ©X LEAGUE】

富士通フロンティアーズが、レギュラーシーズンを無敗の6戦全勝で1位突破を決め、堂々とライスボウル4連覇への道を歩み始めた。最終節でIBM BIG BLUEを圧倒し、万全の態勢でトーナメント進出を果たしたものの、キャプテンの大久保壮哉に慢心は一切なく、試合後も表情を引き締めた。

今季、富士通のオフェンスライン(OL)は昨季から大きく顔ぶれが変わり、若返りが図られた。エースのクオーターバック(QB)高木翼もシーズン初戦後、「新たなメンバーとともに自分も成長していきたい」と語っていたが、シーズンが進むにつれその言葉通り、若いOL陣が着実に力をつけていった。レギュラーシーズンで相手ディフェンスに許したQBサックはわずか1つ。屈強なOLユニットが高木を完ぺきに守り抜いた。

大久保はリーダーとしての自覚をさらに強め、この若いメンバーたちをまとめ上げてきた。「ベテランの方が抜けて、僕も中堅くらいの立場になり、自然とリーダーシップを取るようになりました。その中で、後輩たちも責任感が芽生えてきて、春シーズンを終えて秋に向けてより一層強い意志を持つようになりました。今シーズンを通して、全員が試合経験を積み、ユニットとしての成熟度が確実に上がっています」と、自信に満ちた口調で話す。

【試合前に入場する大久保(背番号64)  ©X LEAGUE】

さらに、今季の富士通は故障者の多い中でも確実に勝利を積み上げてきた。大久保は日頃から「どれだけ故障者が出ようとも、フロンティアーズの一員である限り、自分の役割を全うすること」を選手たちに説いてきたが、その言葉が見事に結果に現れている。困難な状況下でも勝利を掴み取る姿勢こそが、富士通が王者として君臨する理由である。

そして、24日にはライスボウルトーナメント1回戦で再びIBMと対戦する。最終節で大勝した相手であるが、大久保は一切の油断を見せない。「今日の勝ちが2週間後の勝利を保証するわけではない。もう一度しっかりと気を引き締め、細かい部分まで意識を張り巡らせていく。1対1でしっかり勝ち切ることを積み重ねれば、どんな相手であっても勝てる」と、次なる一戦に向けて意気込む。彼の言葉には、積み上げてきた自信と、常に挑戦し続ける王者の風格が漂っている。