【RBTクオーターファイナルの見どころ】白星街道まっしぐらのパナソニックに挑むエレコム神戸
2024年11月21日(木) 16:45
24日(日)15時に大阪市のヤンマースタジアム長居でキックオフされるライスボウルトーナメント(RBT)の第2日第2試合は、リーグ戦を全勝、総合順位2位で通過したパナソニック インパルスが3勝3敗で同7位のエレコム神戸ファイニーズと顔を合わせる。両チームは秋季リーグ戦第3節で対戦。二転三転する試合展開の末にパナソニックがエレコム神戸に27‐10で勝利した。パナソニックが前回同様にエレコム神戸を退けるのか、はたまたエレコム神戸が雪辱を果たすのか。
今年創部50周年に9年ぶりのライスボウル王座奪還で華を添えたいパナソニック。試合を重ねるごとにチームをしっかり仕上げてきている。パナソニックの高山直也ヘッドコーチ(HC)はレギュラーシーズン最終戦のノジマ相模原ライズとの試合後に「前節の試合よりも今日の試合では攻守蹴ともに目標に近づいている」と、チームの成長に手応えを感じた様子だった。
攻撃では強力オフェンスラインに支えられて、副将のランニングバック(RB)立川玄明ら多彩なランナーが自由自在に相手守備陣を切り裂く。なかでもミッチェルビクタージャモーはノジマ相模原戦で先制タッチダウンを含む3タッチダウンをあげる活躍をみせた。また能力の高いレシーバー陣も果敢にパスアタックをみせる。今季加入した196センチ、101キロのサイズを持つタイトエンド(TE)ケイレブ・フィリップスはチームに溶け込み、ミドルレンジのパスを確実にキャッチする活躍をみせている。Xリーグでも屈指の強力守備ラインは健在で、スターターとバックアップ陣の力量差がなく、破壊力満点のアグレッシブな動きをみせる。
調子を上げてきているパナソニックに対抗するエレコム神戸は、リーグ戦では第2クオーターに一度は逆転しながらも、パナソニックの上手い試合運びに再逆転されて敗戦を喫している。前半は善戦したが、後半はパナソニック守備陣の前に得点をあげることが出来なかった。
クオーターファイナルの対戦では先手先手で得点を挙げ、パナソニックを常にリードすることが肝心だ。クオーターバック(QB)デイビット・ピンデルは強肩パサーであり、快足を飛ばして一気にファーストダウンを奪えるランナーでもある。また、新人のワイドレシーバー(WR)マローン・マタエレとRB秋元ミンジェはランプレーとパスプレーの両方を高いレベルでこなすマルチプレーヤーだ。この2人がピンデルとともにパナソニック守備陣を翻弄して得点をあげることが出来れば、勝機が見えてくる。
パナソニック戦で9キャッチ、101ヤードを獲得した内田大喜と187センチの長身レシーバー、近藤天晴が空中戦で暴れる展開になれば戦いは有利になってくる。
チーム力としてはパナソニックが一歩上回るが、エレコム神戸がどこまでパナソニックに迫れるかが楽しみな一戦だ。
〈RBTに向けての両チームのコメント〉
パナソニック
高山直也HC:レギュラーシーズンが終わってからクオーターファイナルまでの2週間でどこまで成長できるかが我々のカギだと思っているのでしっかり準備したい。ラインがしっかりとゲームを作り出すということとスペシャルチームでフィールドを挽回すること、あとはボールバトルで勝つということ、これらはフットボールの基本だが、そこのファンダメンタル、ゲームプランに沿ってやっていきたい。ファンダメンタルに終わりはない。その極み、それが自然にできるレベルまで追い求めていきたい。ケガ人は出ているが、そこをいち早く治して63人が戻ってこられるようにしたい。
LB青根奨太主将:レギュラーシーズンは苦しい場面の方が多かったが、自分のみならず他のメンバーが危機感を持ちながらここまで来ている。ここが最大限というわけではなく、もっと進化しないと昨年の壁は超えられない。(第6節の勝利は)これをやればこういう展開の試合になるという成功体験が得られたのはプラス。そこで慢心したら足元をすくわれるので、今日の試合はよかったところと悪かったところをしっかり区別して、着実に一歩ずつ進んでいかなければいけない。自責というか、一人ひとりが自分で決めるんだ、自分が勝たせるんだというアクションも増えてきているので、個人の思いが体現できるチームになってきている。ライスボウルで、目の前で日本一を逃しているという悔しいシーズンを3年も過ごしている。ファンのみなさんも期待してくれていると思うので、それにしっかりと応えられるようにクオーターファイナルとセミファイナルでインパルスらしさを出して、今年こそ絶対に日本一になれるように進化する。
エレコム神戸
時本昌樹HC:パナソニックには春も負け、レギュラーシーズンでも負けて、どれくらいのレベル感かというのはわかっている。この2週間、そこをどう倒すかということを選手と考えて、しっかり準備して挑んで勝ちたい。選手はすごく前向きで、自分たちのできることを最大限準備していこうと言っているので、そこに我々コーチ陣も含めてチーム一体となってしっかりとやっていきたい。(プレーオフまでの2週間で)勝負事なので、勝ちにこだわって、どん欲に1プレー1プレー集中するようなチームにしていきたい。パナソニックの強さはフットボール界では周知なので、そこに対して自分たちの強みをもっともっと広げていって勝負したい。