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富士通OLの強さは「一体感」と語るエースQB高木 次戦のライスボウルが「本当の勝負」

2024年12月26日(木) 11:00

【スナップを出した後にランブロックする富士通フロンティアーズC藤原快(中央)  ©X LEAGUE】

富士通フロンティアーズが15日のライスボウルトーナメント(RBT)セミファイナルでSEKISUIチャレンジャーズを下し、4年連続のライスボウル進出を決めた。日本フットボール界の頂点に立つ4連覇に王手をかけた富士通だが、その原動力となっているのは、オフェンスライン(OL)の圧倒的な強さだ。

昨年からメンバーが入れ替わり、シーズン前は懸念点の一つとされていたOL。しかし、いざ開幕すると主将の大久保壮哉を中心に、攻撃の要として機能。シーズン中に許したサックはわずか1回、さらにリーグトップのラン攻撃を支える活躍を見せた。エースクオーターバック(QB)高木翼の不安を払拭するだけでなく、準決勝でも鉄壁のパフォーマンスを披露。高木を守り抜いたうえに、3つのタッチダウンを生んだラン攻撃のためにホールを開け、大久保が試合のMVPに選ばれる要因となった。

試合後のインタビューで、高木は富士通のOLについて「一体感」をその強さの秘訣として挙げた。彼は次のように語る。「ケビン・ライトナーコーチの指導のもと、スターターだけでなく、控えの選手も含めて全員が一体感を持って取り組んでいます。QBを守るんだ、ランを出すんだという強い気持ちがこのOLにはあります」。その言葉からは、OLと他のユニットが築く深い信頼関係が伺える。

【OLの後ろでスナップカウントを出す富士通QB高木翼(中央)  ©X LEAGUE】

また、QB高木は、次戦が今季のOLの試金石となるとも語った。「次が本当の勝負です。レギュラーシーズンでは強い相手と戦う機会が少なかったため、真価が問われる試合になるでしょう」

常に冷静かつ現実的な視点を持つ高木の発言からは、次戦に向けた準備への意識の高さが伺える。

来年1月3日のライスボウルでは、パナソニックインパルスの強力なパスラッシュが待ち受ける。「去年も体験していますが、準備はしっかりします。最後はOLを信じ、レシーバーが1対1で勝負してくれることを信じるだけ」と高木。日本アメリカンフットボールの頂点を懸けた一戦で、富士通がその一体感をどこまで発揮できるか注目だ。