ニュース

オービックとのセミファイナルで威力を発揮した鉄壁ディフェンスで9年ぶりの日本一を目指すパナソニック

2024年12月26日(木) 12:00

【オービックQBタイラー・クルカを後ろからタックルするパナソニック インパルスDL有村雄也(右)  ©X LEAGUE】

パナソニック インパルスがオービックシーガルズをタッチダウン0に押さえて24‐5で勝利して、4年連続のライスボウル出場を決めたライスボウルトーナメント(RBT)セミファイナル。しかし、第1クオーターはオフェンスがセーフティを献上、直後のディフェンスもオービックにフィールドゴールを許して0‐5と不安な立ち上がりに見えた。

「(最初の5失点は)想定内。1クオーター(の時間)が15分なので焦る必要は一切なし。前半はがっぷり四つで、後半勝負というゲームプランだったので、ディフェンスがゲームを作ってくれていい形で勝利できた」と高山直也HCは淡々と試合を振り返った。

全体的にはパナソニックディフェンスの強さが際立った。オービックの強力オフェンスは、前半何度もゴール前まで迫る。しかし、強烈なタックルを見舞ってボールをファンブルさせるシリーズがあれば、ラインバッカー(LB)青根奨太主将とディフェンスバック(DB)清家大志の「共演サック」で止める場面もあった。さらにディフェンスライン(DL)有村雄也がQBサックで8ヤードをロスさせると、LBジャボリー・ウィリアムスやDL清水友哉も負けじとサックを見舞い、オフェンスの反撃を待ち続けた。

ようやく第2クオーターの12分50秒にオフェンスがタッチダウンを奪い、7‐5と逆転した。それでも気を緩めることなく、ゴールまで16ヤードまで迫られたピンチでは、ディフェンスバック(DB)ワイズマンモーゼス海人がインターセプトを奪い、タッチダウンを阻止。結局、この試合でパナソニックディフェンスは2度のファンブルリカバーと3つのインターセプトでターンオーバーを作りだし、チームを勝利へと導いた。

【オービックQBクルカにプレッシャーをかけるLBジャボリー・ウィリアムス(右)  ©X LEAGUE】

2度のQBサックを見舞って逆サイドのランプレーまで止めたDL有村は、「オービックは左右に散らすプレーが多いと分析していたので、自分たちの役割をしっかり果たそうと練習から取り組んできた。自分自身も、しっかり役割を果たすことができたと思う」と笑顔で話した。

有村は今季8年目を迎えた。昨年やみくもにプレーしていた有村に対し、同じポジションの師匠でもあり現在アドバイザーを務める脇坂康生氏から「もっと考えてプレーしろ」と指導を受けた。相手が嫌だと思う位置にセットし、嫌がるプレーをひたすらに行うことを常に考えるようになった。セミファイナルでもその成果をいかんなく発揮し、チームの勝利に貢献した。

「ライスボウルでもDL、いや一体となったディフェンスに注目してほしい」と有村。2015年シーズン以来となる9年ぶりのライスボウル優勝の栄冠のため、有村を始めとする強力ディフェンスが富士通フロンティアーズのオフェンスを切り裂く。