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「自分でコントロールできることだけに集中」CFLから帰国後に新天地SEKISUIでキッキングを支えるK佐藤敏基

2025年10月23日(木) 13:00

【今季からSEKISUIチャレンジャーズでプレーするK佐藤敏基  ©X LEAGUE】

昨季、前年の2勝から勝ち星を一気に倍増する4勝2敗の成績でライスボウルトーナメントに進出したSEKISUIチャレンジャーズ。だが、残った課題のひとつがキッキングだった。今季、昨年以上の結果を残すために最大の補強となったのがK佐藤敏基の加入だ。

かつてIBM BIG BLUEや富士通フロンティアーズに在籍。2021年に行われたカナダのプロリーグCFL(カナディアンフットボールリーグ)のグローバルドラフトで、指名された日本人選手6名の中の一人が佐藤だった。トロント・アーゴナーツやカルガリー・スタンピーダーズなどで4年間プレーし、今年帰国。その際、IBM時代にチームメートだったSEKISUIの川口陽生GMに連絡した。

CFLでの活動期間中に、それぞれのチームが持っている価値をコミュニティに還元することに存在意義を見出してきた。帰国後にSEKISUIに興味を持ち始めたのは、チームが兵庫県尼崎市でCFLと同様の取り組みをしていると感じたからだ。また、Xリーグを一旦離れて外から見たとき、勢いがあるチームがさらに上に行くために自分が貢献したいという思いもあった。

13日に行われた第4節のIBM戦では、第1クオーターに先制となる30ヤードのフィールドゴールを決めると、第2クオーターにも24ヤードを蹴り込んで6‐0とリードを広げた。第4クオーターには勝利を決定づける23ヤードのフィールドゴールを決め、チームの15得点のうち9点を稼いだ。

「1本目はギリギリだったので冷や汗が出たが、決めきれたことで後の2本につなげることができた。試合の最初の攻撃で得点することはチーム全体の士気や流れにも関わるので、成功するのが大切。3本目は3ポゼッション差となる大切なキックだったが、『決めなければ』というプレッシャーではなく、ウエルカムして僕を受け入れてくれた大好きなチームが勝利を決めるためのフィールドゴールを蹴ることができるのはとても誇らしいと思ってキックした。ポジティブな気持ちでフィールドに立つことができた」と佐藤はそれぞれのキックを振り返る。

【第4節のIBM戦で先制FGを決める佐藤(左)  ©X LEAGUE】

試合中は「自分でコントロールできることだけに集中する」という佐藤。フィールドポジションや試合の残り時間など、コントロールできない事は考えず、与えられた環境で、一番よいキックを蹴るためだけに体の調子を整える。今後、富士通フロンティアーズ戦やライスボウルトーナメントで、キックオフやフィールドゴールのキックがキーとなる場面が必ず訪れるだけに、廻って来た役割を淡々とこなす佐藤の活躍に注目したい。