【RBTセミファイナルの見どころ】完成度のオービック vs. 成長を示す東京ガス、第2節の点差はどこまで縮まるか
2025年12月10日(水) 14:00
【今季のXリーグパッシングリーダーとなったオービックQBピアース・ホリー ©X LEAGUE】
ライスボウルトーナメントセミファイナル、オービックシーガルズと東京ガスクリエイターズの再戦は、一方的だった第2節の結果がどれほど縮まるかが焦点となる。39対7でオービックが圧勝した前回は、5タッチダウンのうち4つを地上戦で奪い、QBピアース・ホリーが300ヤード超のパスで支配。攻撃の質と試合運びの完成度で圧倒した。一方の東京ガスは攻撃が噛み合わず、QB谷口雄仁が4インターセプトを喫し、悔しさの残る完敗だった。
今季の数字も、両者の差を物語る。オービックはレギュラーシーズンでオフェンス1位、ディフェンス2位と堂々たる成績で、ユニット全体の完成度が高い。対する東京ガスはオフェンス8位、ディフェンス6位と、ともにオービックを下回る。ただし、一つの指標だけが東京ガスの希望だ。フィールドゴール成功率はオービックが5位である一方、東京ガスが2位と優位性を持つ。接戦に持ち込めば、その精度が試合の帰趨を左右する可能性がある。
【リーグ最多の5QBサックをマークした東京ガスDL吉田郁 ©X LEAGUE】
その意味で、東京ガスに必要なのは「試合を壊さない」ことだ。ライスボウルトーナメント1回戦で谷口は自身初の200ヤード超えを記録し、判断と落ち着きの改善が見えた。前回対戦からどこまで成長できたかが、攻撃成立の鍵となる。守備陣も第2節でDL吉田郁が2サックを決めるなど計3サックを浴びせており、前線のラッシュがQBホリーのリズムを乱した場面は確かにあった。その再現ができれば、点差は一気に縮まる。
一方のオービックは、積極的にテンポを変える攻撃、要所でターンオーバーを引き寄せられる守備が健在で、再び主導権を握りにいく。理想は先制からの試合コントロール。東京ガスは、前回見えた“成長の芽”を実体化し、接戦へ持ち込めるか。精度の高いキッキングが価値を持つ展開にできるか——そこに、この準決勝のドラマがある。
