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【RBTセミファイナルの見どころ】昨季ライスボウルのリマッチ、パナソニック対富士通は序盤の主導権争いがカギ

2025年12月10日(水) 12:00

【昨季のライスボウルでMVPに選出されたパナソニックQB荒木優也(中央)  ©X LEAGUE】

ライスボウルトーナメントセミファイナル、昨季の頂上決戦を再現する形でパナソニック インパルスと富士通フロンティアーズが激突する。盤石の強さでレギュラーシーズンを駆け抜けたパナソニックは、レギュラーシーズン6試合で289得点・40失点という圧倒的な数字を残し、攻守の完成度で頭一つ抜けた存在だ。RBミッチェルビクタージャモーのフィジカルとQB荒木優也の冷静なゲームメークを軸に、WR陣もブレナン翼、當間義昭らスピードのあるユニットがフィールド全体を使う攻撃を展開してきた。加えて、ディフェンスは前線の圧とLBのギャップを素早く潰す反応が際立ち、試合のペースを握る時間が長い。

【富士通フロンティアーズRBトラショーン・ニクソン ©X LEAGUE】

一方の富士通は、今季序盤に黒星を喫しながらも立て直し、RBトラショーン・ニクソンの推進力とWR松井理己、サマジー・グラント、木村和喜ら多彩なターゲットを擁し、QB高木翼の精度あるパスで得点を積み上げてきた。特にリズムに乗った時の爆発力は健在で、一発で状況を変える力はリーグ屈指だ。ただし、富士通は強豪との接戦で勝ち切れるかが課題でもあり、パナソニックのディフェンスがプレッシャーを強めた際に、どれだけ正確なプレーを積み重ねられるかが重要になる。

昨季のライスボウルではパナソニックが勝利を収めたが、その後も富士通の構造的な強さは失われていない。短期決戦のセミファイナルでは、序盤の主導権争いが試合の形を左右する。パナソニックは先制から流れを一気に掌握したい。富士通は高木の判断力とレシーバー陣の勝負強さを生かし、守備陣がRB陣の突破をどこまで抑えられるか。空中戦の精度、ランの質、そしてターンオーバーに直結する守備のプレッシャーが、この「決勝再演」を解き明かす鍵となる。