【X1Super】ハイパーオフェンスが炸裂、IBMが大量得点で2勝目
2019年10月20日(日) 08:19上位進出に、これ以上負けられない1勝3敗のIBMビッグブルーと、今季初勝利を目指すオール三菱ライオンズの対戦。
オール三菱は第1クォーター最初のシリーズで先制のフィールドゴールを狙ったが、IBM守備にブロックされて失敗。その後は流れをつかめないまま攻守でIBMに圧倒された。IBMは9タッチダウンを奪い、守備もオール三菱を1タッチダウンに抑え、66-7で快勝し、2勝目を挙げた。
オール三菱のキックオフで試合開始。IBM最初のシリーズはパントに終わった。続くオール三菱のシリーズは、先発QB谷口翔真(#15)の22ヤードランなどでテンポよく敵陣に入ったが、ディレイ・オブ・ゲームの反則で5ヤード罰退。自らのランとショートパスを2本決めてゲインするものの、ダウン更新できずフィールドゴール狙いに。
オール三菱のK奥瀬寛太(#84)が43ヤードのフィールドゴールを狙ったが、IBMのDL、身長196cmのトゥアウ・チャールズ(#92)が素早く飛び込んでブロック。オール三菱は先制のチャンスを逃した。
守備の好プレーで勢いづいたIBMは、その次のシリーズで先制タッチダウンを奪う。
QBクラフト・ケビン(#3)はQBサックを受けて3rdダウン17ヤードの場面で、新人WR河村暁光(#80)へ18ヤードのパスを決めてダウン更新。敵陣に入ると、WR近江克仁(#84)への13ヤードパスと、RB鈴木恵多(#4)の17ヤードランでゴール前15ヤードに迫り、最後は再びWR近江へタッチダウンパスを決めた。
第2クォーターに入り、オール三菱はDB野口大二郎(#1)のインターセプトでモメンタムを呼び戻そうとするが、2シリーズ連続で敵陣に入れずパントに終わる。しかもミスパントでIBMに好ポジションを与えてしまう。
IBMは敵陣46ヤードからの攻撃を、わずか3プレー、48秒でタッチダウンに結び付けて14-0とリードを広げた。
その後もIBMは、K佐藤敏基(#11)の45ヤードフィールドゴールと、QBクラフトの2タッチダウンで着実に得点を重ねたが、オール三菱はIBM守備の前にダウン更新さえできず、31-0とIBMが大きくリードして折り返した。
後半に入ってもIBMの勢いは止まらず、QBクラフトのパスが面白いように決まる。後半最初の攻撃はWR前田泰一(#14)への41ヤードタッチダウンパス。次の攻撃はWR河村への38ヤード、さらにWR近江へ15ヤードと、3シリーズ連続タッチダウンパスをヒットさせてスタンドを沸かせた。
オール三菱はQBを谷口、斎藤圭(#9)、江守優(#16)、光藤航哉(#10)とシリーズごとに変えて突破口を作ろうとするが、IBMの守備に抑え込まれ、悪循環から抜け出せない。
後半に入るとIBMは新加入の選手を次々投入。「ここまで出場チャンスのなかった選手が実戦でいい経験を積めた」とヘッドコーチ兼任のQBクラフトは満足気。
第4クォーター開始早々のIBMのシリーズでは、ゴール前9ヤードの4thダウンギャンブルから、QBクラフトがディフェンス2人にタックルされながらも、新人TE小川知輝(#18)にタッチダウンパスを決めた。
オール三菱は第4クォーター9分9秒に、QB斎藤がWR團栗和希(#13)への14ヤードタッチダウンパスを決めて7点を返し、前節の富士通戦に続く2試合連続の完封負けは逃れた。
IBMが9タッチダウン、1フィールドゴールの66-7でオール三菱に圧勝、2勝3敗とした。オール三菱は5連敗となった。
IBMのクラフト・ヘッドコーチは「スペシャルチームの出来がよく、その流れでオフェンスもディフェンスもよく、いい試合だった」と表情を緩めた。
次戦は強敵オービックとの厳しい試合が予想されるが、「相手が強くてもまずは自分たちがきちんと準備することが大切。今日まではライオンズ戦のことしか考えていなかったので、シーガルズのことはこれから。個々がそれぞれいかに集中できるかが問題」と、話した。
5連敗となったオール三菱の林顕ヘッドコーチは「力の差があった。準備不足の上にミスがあちこちで出てしまった。今やろうとしていること、自分たちが持っているものを出し切れなかった」と厳しい表情。
次戦はパナソニックと手ごわい相手だが、「一喜一憂せずに、何とかもがいていきたい」と、話した。
Text 福永美佐子
Photo エムアイプランニング