ニュース

【X1Super】息詰まる守備戦を制し、オービックが僅差の勝利

2019年10月21日(月) 16:00

2019X1Super秋季リーグ第5節、最も注目されるカード。4戦全勝のオービックシーガルズと3勝1敗のパナソニックインパルスが20日、吹田市の万博記念競技場で対戦した。

第1クォーターに2つのフィールドゴールを成功させて6-0とリードしたオービック。
第3クォーター、パナソニックにタッチダウンを奪われ逆転されたものの、最終クォーターに再逆転のタッチダウンをあげて14-7の僅差で勝利をおさめて全勝を守った。

オービックは最初の攻撃シリーズをQBスカイラー・ハワード(#3)のランとWR前田眞郷(#11)へのロングパスで敵陣6ヤードまで攻め込む。
しかしパナソニック守備陣に押さえ込まれ28ヤードフィールドゴールを選択。これをK星野貴俊(#49)が蹴りこみ先制。

続く攻撃でWR西村有斗(#84)へのパス成功で敵陣30ヤードへ。RB望月麻樹(#43)が一気に敵陣19ヤードまで走りこむ。だがここもパナソニック守備陣に完璧に押さえ込まれ、29ヤードのフィールドゴール。これもK星野がきっちり成功させて6-0と得点を重ねる。

オービックRB地村知樹(右・#30)
オービックRB地村知樹(右・#30)が走り込みファーストダウンを奪う

 

第2クォーター、追うパナソニックはQBロウレンス・アンソニー(#18)からWRワイズ・ダニエル(#12)へのパスが決まったが、オービック守備陣の激しいタックルにボールをファンブル。リカバーしたのはオービックだったが、ここで頭からの危険なタックル・ターゲッティングの反則がオービックにあり、パナソニックは自陣43ヤードから攻撃再開。
敵陣34ヤードまで進むものの、41ヤードフィールドゴールを選択。しかし左にそれて得点ならず。

オービックも前半残り8秒に46ヤードフィールドゴールを狙うが、右に外し追加点ならず。試合は後半勝負に持ち込まれた。

後半4分32秒。パナソニックは、オービックQBハワードがタッチダウンを狙ったパスをDBコックス・ジョショア(#23)がエンドゾーンでインターセプト。自陣29ヤードから攻撃を開始したが、オービックのDBブロンソン・ビーティー(#21)がインターセプト。再び攻撃権を奪われた。

ここでパナソニックは、守備陣が踏ん張り、オービックの攻撃を3アンドアウトで終わらせ、自陣26ヤードから攻撃を始める。
RB藤本拓弥(#26)のランプレー、パスなどで陣地を回復して、WRワイズへのロングパスが決まり、敵陣21ヤード。
ここでQBロウレンスがキープして走り、ゴール前3ヤード。さらにオービックが痛恨の交代違反でハーフディスタンスの罰退。

パナソニックWR木戸崇斗(左・#88)
パナソニックWR木戸崇斗(左・#88)がパスを受けファーストダウンを奪う

 

最後はRBミッチェル・ビクター・ジャモー(#5)がオービック守備の猛烈なタックルをかわして中央突破。パナソニックがついにタッチダウンを奪い、7-6と逆転する。

1点を追うオービックは、次のキックオフをリターナー木下典明(#18)が敵陣43ヤードまで戻すビックリターン。このチャンスにじっくりと攻撃を進める。
RB望月、QBハワードのランプレーでゴール前3ヤードに攻め込むと、QBハワードから右エンドゾーンを走るWR前田へパスがヒットしてタッチダウン。2ポイントコンバージョンを選択して、QBハワードからWR前田へのパスで2点を追加。14-7とする。

7点差を追うパナソニックは、パス攻勢で敵陣9ヤードまで攻め込む。しかしタッチダウンを狙ったパスは、ことごとくオービック守備陣に粉砕され、起死回生の4thダウンギャンブルも失敗。
その後も攻撃権を得たものの、オービック守備に阻まれ得点には至らず。
14-7でオービックが全勝を守り、敗れたパナソニックは3勝2敗となった。

オービックDBブロンソン・ビーティー(右・#21)
パスをインターセプトするオービックDBブロンソン・ビーティー(右・#21)

 

オービックの古庄直樹ヘッドコーチは「ハードな試合だった。いろいろあったが集中して戦えたことが収穫。タッチダウンも必要だが確実にスコアすることが一番大事だと考え、フィールドゴールを選択した。ただ前半終了間際のフィールドゴールを外したのは悔しかった。逆転されてもまだまで時間があったので取り返せると思っていた。真っ向勝負を挑んだが、楽には勝たせてもらえない相手だった」と振り返る。
次はIBM戦だ。「次のIBM戦をしっかり戦う。IBMは調子に乗せると得点力があるだけに、この試合のように守備が奮起しないと」と、警戒した。

一方、敗れたパナソニックの荒木延祥監督は「守備は良くがんばったと思う。攻撃は最後までかみ合わなかった。やりたいことをやらせてもらえなかった。チャンスはたくさんあったが、QBとWRがかみ合わず勝負どころの3rdダウンで勝てなかった。守備範囲の広いオービックに上手く守られ、うちのプレーがつぶされていた。対策をされるとこうなる。次のステップをどう登っていくのか。残り2試合、チーム力はあるので、しっかり準備して一つ一つ勝っていきたい」と、目標のJXBセミファイナル出場に視野に入れた。

Text 福武金二
Photo  エムアイプランニング

試合記録詳細