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【X1Super】次第に地力を発揮した富士通が逆転勝利

2019年10月21日(月) 17:12

爽やかな秋風が吹く季節。フィールドには4戦無敗の絶対王者・富士通フロンティアーズ。対する挑戦者はライム色のユニフォームをまとったエレコム神戸ファイニーズ。互いに華やかな花道をくぐり抜け、勝利を目指す。

エレコム神戸K山崎丈路(#12)のキックオフは遠く伸び、エンドゾーンを越えタッチバックとなった。
富士通の最初の攻撃は、司令塔QBバードソン・マイケル(#3)を中心に進める。RBグラント・サマジー(#29)にボールを託す場面も多く、ノーハドルも交えたテンポ良い攻撃。しかしDBショーン・ドレーバー(#1)を筆頭に、エレコム神戸のカバーもしつこく富士通の攻撃を1度のダウン更新で止める。

エレコム神戸は、前節負傷したエースRB白神有貴(#44)の代わりにRB芦田龍居(#24)を今季初スタメンとして起用。米倉監督も高く評価するチーム随一の脚力とOL陣の強いブロックで、中をすり抜けるランを展開するが、パントに追い込まれる。

エレコム神戸RB芦田龍居(#24)
エレコム神戸RB芦田龍居(#24)がパスを受けファーストダウンを奪う

 

最初に動きを見せたのは富士通。
自陣47ヤード付近より、QBバードソンが中央を切るロングパスを放り込む。それをRBグラントがキャッチ。そのままエンドゾーンへと走りこみ、富士通が7点の先制点を決めた。

エレコム神戸もRB芦田の好リターンでハーフライン付近より反撃開始。
QBコーディー・ソコール(#19)からWR高尾裕樹(#87)へのパスでダウンを更新。ここでRB芦田にボールを託すと、富士通守備陣を上手くかわし、最後は独走状態でエンドゾーンへ一直線。タッチダウンとなり、同点に追いつく。

第2クォーターはエレコム神戸の攻撃から始まる。WRアルフォンソ・オヌワー(#21)へのロングパスが決まり、一気にゴール前11ヤードに迫る。3rdダウンからWR三木達也(#17)へタッチダウンパスを投じるが、サイドラインをぎりぎり越えた位置でのキャッチとなり、得点ならず。結果フィールドゴールを選択。これをK山崎が決めて、エレコム神戸が逆転に成功した。

富士通RBグラント・サマジー(左・#29)
富士通RBグラント・サマジー(左・#29)がパスを受けタッチダウンを決める

 

追いかける格好となった富士通は、RBグラントが一度のタックルでは倒れない強靭なランで前進。相手のパスインターフェアの反則もありエンドゾーンへと近づくと、QBバードソンが何度もタッチダウンを狙うパスを投じる。
最後はWR岩松慶将(#22)がキャッチ。前傾姿勢になりながらもエンドゾーンまで運びタッチダウン。14-10と、再び試合の主導権を握る。

続くエレコム神戸は、ランとパスを織り交ぜながら敵陣25ヤード付近まで順調にゲインを重ねるも、ここからRBやWRとうまくかみ合わず、4thダウンでフィールドゴールを体形に。しかし富士通DL高橋伶太(#99)がキックをカット、失敗に終わる。

攻撃権が富士通に移った1プレー目。WR中村がパスをキャッチし、独走でタッチダウンを決めるも、反則があり無効に。
しかし、しっかりと切り換えレッドゾーンまで持ち込むと、41ヤードのフィールドゴールを決め、富士通が3点を追加。17-10で前半が終了。

後半の立ち上がり、互いに反則やターンオーバーがあり流れが掴めない中、富士通自陣5ヤードからの攻撃でWR松井理己(#85)へのパスからドライブ開始。
QBバードソンがWR松井、中村輝晃クラーク(#81)、RBグラントらへ次々とパスをヒットさせ敵陣30ヤードまで攻め込むと、WR岩松にパスが決まり、タッチダウン。さらに点差を広げた。

富士通DB樋田祥一(右から2番目・#34)がインターセプトで攻撃を断ち切る

 

第4クォーター。追撃したいエレコム神戸だが、エースQBコーディーが負傷退場。交代出場したQB福島賢悟(#10)が、ランを軸に少しずつ進むも、得点には至らない。
その後富士通は、序盤のようにノーハドルを交えたテンポの良いオフェンスを取り戻す。敵陣28ヤードまで進むと、フィールドゴールで3点を追加して27-10。このまま試合終了となった。

無事に勝利を収めた富士通の山本洋ヘッドコーチは「反則で自分たちのテンポを崩してしまった。立て直せなかった」と、自滅してしまった部分を厳しく指摘した。

一方、前半から攻める姿勢を見せたエレコム神戸の米倉輝監督は「富士通はやっぱり強い。反則に助けられただけで、力の差は歴然」と振り返る。まずは4勝を目指し、次戦ノジマ相模原に向けて「勝てる術を探すのみ」と語った。

Text 南優希
Photo  エムアイプランニング

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