【X1Super】獅子が夜明けに吠える。オール三菱が土壇場で底力を発揮
2019年11月18日(月) 22:29前節、エレコム神戸ファイニーズから待望の初勝利を挙げたノジマ相模原ライズと、まだ勝ち星のないオール三菱ライオンズとの対戦。
試合はオール三菱がノジマ相模原のミスから先制。第2、第3クォーターにノジマ相模原が2フィールドゴールと3タッチダウンで逆転してリードを広げたが、第4クォーターにオール三菱が粘りを見せて、3タッチダウンを奪い再逆転。36-28でオール三菱が今季初勝利を挙げた。
オール三菱とノジマ相模原は1勝6敗で並んだが、当該チーム間の勝敗結果でオール三菱が7位、ノジマ相模原が8位となった。ノジマ相模原は12月22日、X1Areaファイナルの勝者と入替戦を行う。
試合はオール三菱のキックオフで開始。ノジマ相模原は、第5節の東京ガス戦で負傷退場したQBジミー・ロックレイ(#11)が復帰して先発出場。WR八木雄平(#85)、伊藤雅恭(#23)に鋭いパスを決めて健在ぶりをアピールしたが、最初のシリーズはパントに終わる。
このパントの際に、P鈴木健太(#13)がスナップされたボールを一度はキャッチしたが弾いてしまう。こぼれ球をオール三菱のDL柴田啓汰(#98)がリカバー。そのまま32ヤードをリターンして、オール三菱が先制タッチダウンを決めた。
オール三菱はその次の攻撃シリーズでも、QB谷口翔真(#15)がRB野田篤生(#29)へのタッチダウンパスを決めて、14-0とリードを広げる。
ノジマ相模原は第2クォーターに入って反撃に出る。
2シリーズ連続でK鈴木がフィールドゴールを決め、さらにQBジミーがWR伊藤へ76ヤードタッチダウンパスをヒットさせる。トライフォーポイントでRB東松瑛介(#25)が2点コンバージョンのランを決めて14-14の同点に追いついた。
後半に入り、ノジマ相模原が最初の攻撃シリーズでタッチダウンを決める。
自陣10ヤードからの攻撃。QBジミーがロングパスを次々と決めてゴール前に迫ると、RB森本紘介(#26)が12ヤードのタッチダウンランを決めて21-14。
その次のシリーズも、RB宮幸崇(#2)の4ヤードタッチダウンランでリードを広げた。
14点差をつけられたオール三菱だが、気持ちを切らさず果敢に挑んでチャンスをつかむ。
第4クォーター5分55秒にRB野田篤生(#29)の1ヤードタッチダウンランで21-28と点差を縮めると、続くキックオフでオンサイドキックに成功、再びオール三菱の攻撃となる。
RB萩原誠(#28)の23ヤードランでゴール前10ヤードに攻め込むと、QB斎藤圭(#9)からTE田島広大(#87)へのスクリーンパスでタッチダウンを奪う。
27-28と詰め寄ったオール三菱は、トライフォーポイントで2点コンバージョンを選択。スナップを受けたQB斎藤がRB萩原にピッチ。この萩原からエンドゾーンの左隅に走り込んだTE田島へ、両手でパスを投げ込むスペシャルプレーを鮮やかに決め、再逆転に成功した。
29-28と逆転したオール三菱はさらに勢いづく。
ノジマ相模原の攻撃を3アンドアウトでしのぐと、9分18秒にRB野田がこの日2本目となる32ヤードのタッチダウンランを決め、36-28とリードを広げ、試合の趨勢を決定づけた。
ノジマ相模原の最後の攻撃もQBジミーが4プレー連続でパスを失敗して万事窮す。X1Superのチームで唯一、日本人選手のみで戦ってきたオール三菱が36-28でノジマ相模原を下し、待望の初勝利を挙げた。
ノジマ相模原は、X1Areaファイナルの勝者との入替戦を行うこととなった。
競り勝ったオール三菱の林顕ヘッドコーチは「最後の最後で選手一人ひとりが力を振り絞ってやってくれた。ディフェンスはいつも以上に勝負して、意地をみせてくれた。厳しいシーズンだったが最後に結果を出せてよかった」と、選手の健闘を称えた。
来季については「強い相手とやるのに今年は今までのままでやってきた。何かに挑戦してチームを変えなければならないと思う」と話した。
最下位となったノジマ相模原の須永恭通ヘッドコーチは「中盤はいい流れで運べたのに、相手に与えなくていいシチュエーションをみすみす手放してしまった。最後に跳ね返す地力がなかった」と、苦い表情で話す。
上位進出を狙ったものの最下位に終わり「今季は前半からボタンの掛け違いをしたような状況だった。入替戦ではもっとプレーの質、精度をあげて何とか勝ちたい」と、次戦必勝を誓った。
Text 福永美佐子
Photo エムアイプランニング