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【X1Super】値千金のフィールドゴールブロック。富士通がレギュラーシーズン全勝優勝

2019年11月18日月 15:50

X1Superレギュラーシーズン最大の見どころ、ともに全勝で最終第7節を迎えた富士通フロンティアーズとオービックシーガルズのライバル対決。
富士通スタジアム川崎は試合開始前からスタンドがほぼ満員で熱気にあふれていた。試合は終始、逆転を繰り返すスリリングな展開。第4クォーター終盤、富士通が16-14とリードし、残り2分11秒からオービックが猛反撃。残り2秒から26ヤードのフィールドゴールで逆転を狙ったが、富士通DB樋田祥一’(#34)が跳び込んで、キックされたボールをブロック。劇的な幕切れで富士通が逃げ切った。

富士通はX1Superを全勝で制し、ポストシーズンのJXBセミファイナルでリーグ4位のエレコム神戸ファイニーズと対戦する。オービックは2位となり、セミファイナルで3位のパナソニックインパルスと対戦する。

キックオフはオービック。フェアキャッチで富士通最初のシリーズは自陣25ヤードから。
QBバードソン・マイケル(#3)がノーハドルでRBグラント・サマジー(#29)、WR中村輝晃クラーク(#81)へのパスを決める。レシーバーがカバーされるとQBバードソンがキープで攻め込み、自陣45ヤードまで進んだが、このシリーズはパントに終わる。

続くオービックの攻撃は自陣10ヤードからスタート。オービックのキーマンであるRB李卓(#29)が、力強い走りでゲインを重ねる。QBスカイラー・ハワード(#3)がパス、自らのキーププレーで着実にドライブしてじわじわ攻めあがり、WR木下典明(#18)への25ヤードパスでゴール前10ヤードに迫った。
最後はQBスカイラーが右オープンを走り、オレンジ色のパイロンにぶつかりながらエンドゾーン内側にボールをかざしてタッチダウン。オービックが最初のシリーズで8分19秒かけて、第1クォーター11分28秒に先制した。

富士通QBバードソン・マイケル(#3)
富士通QBバードソン・マイケル(#3)が自ら走りタッチダウンを決める

 

第2クォーターに入り富士通、オービックともにパントで終わるが、キッキングチームの好不調の差が出て、富士通が敵陣37ヤードから攻撃権を得る。
QBバードソンとRBグラントのランでゴール前8ヤードまで進み、QBバードソンのランプレーでタッチダウンを決めた。

しかしトライフォーポイントのキックを失敗して6-7。同点にできなかったが、次のシリーズで、富士通ディフェンスがファインプレーを連発した。
オービックのQBスカイラーに対し、DL藤谷雄飛(#90)がQBサックを決めて8ヤードロスさせ、その次のプレーではRB地村知樹(#30)の持つボールをDL神山恭祐(#10)が倒れ込みながら引っかけてファンブルを誘う。これを富士通DB石井悠貴(#28)がリカバーして攻守交代。

敵陣17ヤードと絶好のポジションでチャンスを得た富士通は、最初のプレーで逆転タッチダウンを決めた。
QBバードソンがRBグラントに短いパスをヒットさせ、グラントはディフェンスをかわし、さらに捨て身で飛び込んできたDBをジャンプで跳び越えてエンドゾーンに駆け込んだ。富士通は13-7とリードを奪ったが、この時、QBバードソンが足を負傷し、退場してしまった。

富士通はこのアクシデントで攻撃の流れが止まり、前半残りのシリーズではダウン更新できないままパントに終わり、オービックも決め手を欠き、13-7と富士通リードのまま前半を終了した。

オービックRB地村知樹(左から2人目・#30)
オービックRB地村知樹(左から2人目・#30)が相手ディフェンスをかわしタッチダウン

 

第3クォーターはともに得点圏に入れないまま終了。最終第4クォーターに入る。

オービックのシリーズでQBスカイラーがWR池井勇輝(#7)へ22ヤードのパスを通し、敵陣20ヤードに迫る。久しぶりの得点チャンスにスタンドが盛り上がる。
ドロープレーでRB地村が中央を突破してタッチダウン。オービックが14-13と逆転に成功した。

次の富士通の攻撃シリーズ。交代出場したQB高木翼(#18)のパスをDLブロンソン・ビーティ―(#21)が狙いすましてインターセプト。オービックが敵陣22ヤードからの攻撃となったが、ホールディングの反則で罰退などあり、オービックは43ヤードのフィールドゴールを狙う。
K星野貴俊(#49)のキックはゴール右に外れてしまい、追加点はならなかった。

逆に富士通はその次のシリーズで、K西村豪哲(#11)が23ヤードのフィールドゴールを決めて16-14と再逆転する。

終了まで2分11秒、試合はクライマックスへ。オービックの意地をかけた最後のドライブが自陣35ヤードから始まった。
QBスカイラーのランで敵陣に入り、残り時間は51秒。WR木下へのパスが2本連続で決まり、ゴール前10ヤードに。RB望月麻樹(#43)の1ヤードランの後、オービックは逆転をかけた26ヤードのフィールドゴールトライへ。

富士通DB樋口祥一(中央・#34)
オービックが逆転フィールドゴールを狙うも富士通DB樋口祥一(中央・#34)が阻止する

 

両チームが続けてタイムアウトをとり、残り時間は2秒に。スタジアム全体が固唾をのんで見届けたラストプレー。K星野がボールを蹴った次の瞬間、ボールがディフェンスの体に当たった鈍い音が響いた。富士通DB樋田が右端からすさまじいスピードで横っ飛びし、キックのコースを塞いだ。
伏線はひとつ前のオービックが失敗したフィールドゴールのときにあった。「あの時、もう少しでブロックできそうだったので、最後も行ける気がした。スカウティングしてスキがあると狙って用意しておいたプレー、こんな結果を残せて最高」。樋田は祝福の波に飲まれた。

一方のオービックサイドは、しばらく動けなかった。試合開始から2時間15分、緊迫した空気が感動に変わった。X1Superレギュラーシーズンを締めくくる全勝対決は富士通が16-14で競り勝ち、リーグ優勝を決めた。

大接戦をものにした富士通の山本洋ヘッドコーチは「試合前からスペシャルチームの出来が試合を左右すると話していたが、大事な場面でいいパフォーマンスをしてくれた」と選手を称えた。4年連続日本一に向けて、ポストシーズンへ好スタートを切ったが「ほかのチームもみんな日本一を目指して必死でやってきますから、我々も気を引き締めて次の準備をしたい」と話した。

敗れたオービックの古庄直樹ヘッドコーチは「クロスゲームで選手はよく耐えて頑張りましたが…」と言葉を探し、「サマジー(RBグラント)は予想以上にすごかったし、キッキングゲームの出来が良くなかった。その辺を整えてまた次に備えます。まだ次があるので」と話した。

Text 福永美佐子
Photo  エムアイプランニング

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