【JXBセミファイナル】 流れを掴んだインターセプト。パナソニックが4年ぶりにJXBの舞台へ
2019年12月01日(日) 22:032019X1Superポストシーズンゲーム。JXBセミファイナルが、30日に吹田市万博記念球技場で行われ、オービックシーガルズ(シーズン2位)とパナソニックインパルス(シーズン3位)が対戦した。
レギュラーシーズンでは第5節に戦った両チーム。その際は14-7でオービックがパナソニックを退けたが、JXB出場は2016年以来のオービックと2015年以来となるパナソニックが頂上を目指して激戦を繰り広げた。
結果はパナソニックが、追いすがるオービックを後半で突き放して24-14で勝利。12月16日に東京ドームで行われる決勝JXBで富士通フロンティアーズ(シーズン1位)と対戦する。
第1クォーター、パナソニックは攻撃の1stシリーズを、RBミッチェル・ビクター・ジャモー(#5)のランプレーを中心にテンポ良く進めて敵陣31ヤードまで攻め込む。しかしオービック守備陣の堅牢な守りに阻まれて、47ヤードフィールドゴールを狙うが失敗。
パナソニックにとって嫌なムードが漂う中、オービックは負傷したQBスカイラー・ハワード(#3)を欠く布陣ながら、「ゲームメイクがうまくて、タイミングのいいパスを落とす、総合的に嫌なQB」と、パナソニックの荒木延祥監督が評するQB菅原俊(#6)が先発出場。菅原はチームの期待に応え、8分23秒にWR前田眞郷(#11)への42ヤードパスで先制タッチダウンを奪う。
だが気迫に勝るパナソニックは、オフェンスラインが踏ん張り、ランプレーを中心に前進を図る。
第1クォーター残り2秒。QBロウレンス・アンソニー(#18)が、時間をかけてパスターゲットを探しながらエンドゾーン中央に入ってきたWR小山泰史(#89)へ、タッチダウンパスをヒットさせ7-7の同点に持ち込んだ。
第2クォーターのパナソニック。RBミッチェルやRB藤本拓弥(#26)のランなどで粘り強く陣地を進め、ゴール前4ヤードからの得点チャンスを得たものの、オービックの強力守備に阻まれ、4thダウンギャンブルも阻止されて追加点が奪えない。
しかし前半残り1分40秒。パナソニックにビッグプレーが生まれる。
「先制のフィールドゴールを外し、1ヤードギャンブルを失敗した流れの悪い中で、このプレーがチームに勇気を与えた」(荒木監督)。
QB菅原が左サイドラインを走るレシーバーに投げたパスを、パナソニックDB土井康平(#7)が勢いよく走り込んでインターセプト。そのまま32ヤードを一気にリターンしてタッチダウン。14-7とパナソニックが逆転して試合を折り返した。
後半に入り、オービックは最初の攻撃をインターセプトされて断ち切られたが、その後の攻撃を立て直す。
主将RB地村知樹(#30)が、中央突破して66ヤードを独走タッチダウン。14-14と同点に持ち込み、流れを引き寄せる。
だがパナソニックには勢いがあった。RBミッチェルが無人の左サイドを28ヤード独走して敵陣に入ると、RB藤本が6ヤードを走りきってタッチダウン。21-14と再びオービックを突き放す。
さらに第4クォーターには、K佐伯栄太(#11)が49ヤードの長距離フィールドゴールを見事に蹴りこみ、24-14と得点差を広げる。
追うオービックは、K星野貴俊(#49)がフィールドゴールを狙うが、惜しくも外れ追加点が奪えない。
残り2分40秒からは4thダウンギャンブルでタッチダウンパスを狙ったものの失敗。
最後の攻撃となった残り1分57秒には、QB菅原の投げたパスを、パナソニックDBコックス・ジョシュア(#23)がインターセプトして、オービックの猛追を振り切った。
4年ぶりのJXB出場を果たしたパナソニックの荒木監督は「前回の試合を反省してテンポ良く攻撃を進めたが、もう少しアップテンポでやりかった。前半にオービックのランプレーを止めたのが良い結果を生んだのだろう」と、試合を振り返る。
「昨年11月の不祥事以来のどん底から這い上がってきた。シーズンを過ごすにつれてようやくチームに一体感が出てきた」。ここに来てやっとチームが仕上がってきたようだ。
JXBで対戦する富士通に話が及ぶと「2013年のJXBファイナルステージではダブルスコア以上の差で敗戦(13-28)。その翌々年のJXBでは僅差の勝利(24-21)。今季は、ダブルスコアに近い得点差で敗戦(27-45)。誰もウチが勝つとは思ってはいないだろうが、(ウチは)可能性を秘めたチーム。あと2週間でどれだけ準備できるか、成長できるか。勝つチャンスはある」と、正々堂々、社会人チャンピオン4連覇を狙う富士通に挑む覚悟だ。
一方、オービックの古庄直樹ヘッドコーチは「完敗です」と第一声をしぼり出した。
「相手の完成度が高くコントロール仕切れなかった。特に5番のRB(ミッチェル)は、予想以上のフィジカルを持っていた。ゴール前でタッチダウンを許さないとか、守備でゲームを作っていたが、なんせコントロール仕切れなかった。ミスは試合中には起こること。試合を作れるところで作りきれなかった」と、今回は脱帽状態だった。
Text 福武金二
Photo エムアイプランニング
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